「国王が弟の退去を望んでいるのは周知の事実」チャールズ国王、弟アンドルー王子の警備チームを解雇することを決定
アンドルー王子は現在居住するロイヤル・ロッジから今後数ヶ月以内に退去せざるをえないかもしれない。 【写真】英国王室メンバーが居住する8つの邸宅とは? ここ数年、ウィンザー家の頭上には細い糸で吊るされたダモクレスの剣が常にあった。それはチャールズ3世の弟、アンドルー王子の存在だ。ジェフリー・エプスタイン事件に関与し、自らも性的暴行で告発された王子は、英国王室にふさわしくない人物としてすべての称号を剥奪され、メディアから遠ざけられた。だが王子は今もウィンザー城の一角にあるロイヤル・ロッジに住んでいる。ここに来て事態は王子の10月退去に向けて動きはじめたようだ。今週末、国王は弟にプレッシャーをかけようとしたのか、アンドルー王子の警備チーム10名の解雇を決めた。こうして、時価3000万ポンドの邸宅から王子が退去する段取りが整いつつある。 王室事情に通じている関係者は日曜日夕方の「サン」紙に、次のように語っている。「この措置が王子のロイヤル・ロッジ退去に向けてのものであると誰もが思っています。警備チームを解雇する理由が他にありますか?全員の契約が10月末までとなっていて、後任は誰もいないようです」
周知の事実
チャールズ3世は弟の退去を前から望んでいたと伝えられている。過去の報道によれば、家賃を年間100万ポンドに値上げすることも検討したらしい。ただしこの兄弟の戦いにおいて弟は強力な武器を有している。2078年6月15日まで続く75年間のリース契約だ。「国王の公の不動産」を管理するクラウン・エステートと2003年に100万ポンドの一括払いで契約した。 「タイムズ」紙によると、アンドルー王子は契約で「(不動産を)修理修繕、維持管理、清掃し、必要に応じて再建しなければならない」義務を負っている。また、2008年から5年ごとに外壁を洗浄し、目地をやり直し、塗装を「2度塗り」しなくてはならないとされている。建物内部の方は2010年から7年ごとに内壁の「ペンキを少なくとも2度塗りし、壁紙を貼り、磨き、装飾し、その他適切な方法で扱う」ことになっている。2004年の入居以来、アンドルー王子は住居の維持管理に750万ポンド以上を費やしてきた。 チャールズ3世としては弟をなんとかして退去させたい。可能性としては年間手当の減額や法廷闘争に持ち込むことが考えられる。もっとも法廷闘争になればウィンザー家のイメージダウンにつながりかねず、王室にとって望ましくない。「最も合理的な解決策は交渉による和解です。アンドルー王子の落ち着き先を見つけ、これまで王子が住居を維持するために私財を投じた金額を全額返済することでしょう」とジャーナリストのマルク・フルニーは「ル・ポワン」誌に語った。 今年初め、アンドルー王子が近所にあるフロッグモア・コテージへの引っ越しを拒否したことが明らかになった。フロッグモア・コテージはかつてハリー王子とメーガン夫人が住んでいた場所だ。それでもチャールズ3世は諦めていない。ある情報筋がサン紙に「チャールズ国王は、生計維持のために弟のアンドルー王子に与えている年間400万ポンドの手当てを取り上げる可能性もある 」と語ると、「国王が弟の退去を望んでいるのは周知の事実だ」とつけ加えた。今もなお、アンドルー王子はチャールズ国王にとって邪魔な存在のようだ。
text: Elisa Cantaux (madame.lefigaro.fr)