長井市で親子2人が死亡した事故現場 緊急対策で注意喚起の看板や「ドットライン」など設置
山形放送
長井市の国道113号で車同士が衝突し親子2人が死亡した事故を受け、10月末、国土交通省や警察などが現場で緊急点検を行い、対策を講じました。どのような安全対策がなされたのか取材しました。 この事故は10月28日夕方、長井市今泉の国道113号の交差点で軽乗用車と大型トラックが出合い頭に衝突したものです。軽乗用車には3人の親子が乗っていて、このうち2人が死亡しました。警察は、軽乗用車の一時不停止が事故の原因だったとみて調べを進めています。 現場はことし3月に開通した高規格道路「梨郷道路」の起点で、開通以降、出合い頭の事故が今回を含めて5件発生していました。5件はいずれも、一方の車が今泉方面から交差点に進入して道路を直進したり右折しようとした際に、梨郷道路を通行してきた車や小国方面から来た車とぶつかる形で発生しています。 事故後、実際に現場を走行してみるとー。 小坂憲央アナウンサー「左斜め前方は現在工事が行われていて手前で一時停止が必要です。ただ、工事のトラックが止まっていて、左から来る車に気付くのが遅れる可能性はあります。見えにくいです」 事故を受けて、現場では道路を管理する国土交通省や警察などが10月31日に緊急点検を行い事故防止に向けた対策を講じました。 そしてきょう、現場を訪れてみるとー。 中川悠アナウンサー「交差点ありという看板が見えてきました。まもなくその交差点だということです。ここにも交差点ありの看板が目立っています。そして一時停止の標識もありました。かなり目立っています。これだけあると止まらなきゃという思いになりますね」 緊急点検の翌日、国交省は、今回の死亡事故で軽乗用車が交差点に進入する前に走っていた道路に「交差点があること」への注意喚起を促す看板や「止まれ」の看板などを6枚追加で設置しました。また、右折専用車線をなくし、1車線にすることで交差点の前で止まる車を増やし、車の減速を促しています。 さらに、路面に減速を促す「ドットライン」と呼ばれる表示を追加したほか、停止線を引き直し、従来よりも交差点に近づけて左右から来る車が見やすいよう改善したということです。 一方、実際に交差点を通行してみるとー。 中川アナ「私、ここ初めて通るんですけど、かなり見えないですね。なかなか左側が見えなかった」 交差点の中央付近まで車を進めないと左側から来る車両が見えにくい状況は変わっていませんでした。 実際に道路を走行してみると、交差点のだいぶ手前から減速を求める看板が無数に設置されていて、強く注意喚起されていると感じました。 一方で、依然として危険を感じる場所もあり、ドライバーも慎重な運転を心掛ける必要があると感じました。 現場近くの住民からは信号機の設置を望む声もあるようですが、設置に向けた動きはあるのでしょうか。 警察によりますと、今のところ、信号機設置に向けた検討は行っておらず、今回行った安全対策の効果を見てから、設置するかしないか検討したいとしています。 ところで、信号機の設置については警察庁が設置条件を掲げています。 ▼赤信号で停止している車の脇を安全に走行できる道路幅があること。▼ほかの信号機との距離が150メートル以上離れていること。▼ピーク時の1時間で300台以上車が通行することなどで、最低、6つの条件を満たす必要があります。 国交省は、現場の交差点が条件に当てはまるかについては明らかにしていませんが、今回の対策の結果次第では信号機設置の検討が進む可能性もあります。