ハンドボールで全国制覇 被災地に元気と勇気 富山県氷見市の西條中学校男子 春中ハンド
春中ハンドで9年ぶり2回目の優勝を果たした富山県氷見市の西條男子が、激闘から一夜明けて、地元に凱旋。選手たちの活躍が能登半島地震で被災した港町を元気づけました。 【写真を見る】ハンドボールで全国制覇 被災地に元気と勇気 富山県氷見市の西條中学校男子 春中ハンド 歓喜の瞬間から一夜明け、大会が開かれた福島県から氷見に帰ってきた選手たち。生徒たちや保護者を前に優勝を報告しました。 井上拓己主将: 「熱い応援のおかげもあり、僕たちは優勝という最高の結果を残すことができました」 春休み中ですが、生徒たちも学校に来て、喜びを分かち合いました。 生徒: 「シュートをいっぱい打っていて、かっこいいなと思いました」 生徒: 「暗いニュースばっかりだったのでうれしい」 春中ハンドは、例年、富山県氷見市で開催され、氷見市は「ハンドボールの聖地」とも呼ばれています。 しかし能登半島地震の影響で、選手らの宿泊場所の確保の問題や、余震などの安全面を考慮して氷見での開催を断念。代わりの開催地には東日本大震災を経験した福島県が名乗りをあげました。 富山県代表の西條男子も発災後10日間練習ができず、県外への強化遠征も中止に。そんな逆境を乗り越え、開幕前、キャプテンの井上選手はこう意気込みを語っていました。 井上拓己主将: 「振興枠とか開催地代表枠で出られなかった氷見のチームの分まで戦って、優勝して、地元の氷見に優勝の報告で元気や勇気を届けられたらと思います」 「優勝」して、氷見に元気や勇気を。 順当に勝ち上がり、迎えた決勝。相手は全国大会常連の強豪校東京代表・東久留米西。立ち上がり、東久留米西の力強いシュートが西條のゴールに襲い掛かり、点差を広げられます。 それでも、西條は、井上主将が4連続得点で追い上げます。さらにウイング・橋本選手の多彩なシュートなどでなんとか食らいつき、13対13の同点で試合を折すと。 後半も、両者一歩も譲らない一進一退の攻防に。いい流れからしっかりと得点を重ねる西條。そしてここで、ゴールキーパー戸圓選手が躍動。 戸圓選手: 「氷見で試合をしているときと同じくらい応援の声も大きかったから、そのおかげで頑張れた」 シューターとの絶妙な駆け引きからナイスセーブ連発で、ゴールを死守。試合時間残り10分を切っても、シーソーゲームが続くと、試合時間残り20秒で、スコアは25対24と西條が1点リード。ここで橋本選手が「ここ決めたら、勝てる確率が上がると思ったので、無理やりだけど飛び込んだ」と語るダメ押しのゴールを決め、試合終了。最後の最後まで全力で戦い抜いた西條中学男子が2015年の第10回大会ぶり、2度目の優勝を果たしました。