Ordinalsはビットコインの原則を覆し、半減期後のマイナーに大きな恩恵をもたらす【Future of Bitcoin】
それは不可能だと思われていた。しかし、オーディナル(Ordinals)プロトコルとトークン規格であるBRC-20の出現により、ビットコインネットワークはBTCFi(ビットコインを主要資産とするDeFi)を解き放つ活発な開発活動を目の当たりにしている。 こうした動きは、従来は取引の簡素さで知られていたネットワークに新たな機能をもたらし、BRC-20トークンの時価総額だけでも28億ドル(約4200億円、1ドル150円換算)に達している。 ネットワークの健全性という観点からは、重要な点は、特にOrdinalsが可能にしたインスクリプション(Inscription、ビットコインNFTとも呼ばれる)がマイナーに4億3800万ドル以上の手数料を提供し、マイナーの参加にインセンティブを与えることでビットコインネットワークの安全性確保に貢献していることが挙げられる。 オーディナルプロトコルは、ビットコイン(BTC)の最小単位であるサトシに、NFTのような固有のデータを記録することを可能にする。この技術革新は、BRC-20トークンのローンチによって拡張され、ビットコイン上でのトークン化された資産の創造を可能にした。それ以前は、ビットコイン上でのDeFi(分散型金融)は不可能と考えられていた。
ビットコインの活用
より複雑な商品をネットワークに持ち込むことで、より多くのブロックスペースを使用することになり、スペースをめぐる競争が取引手数料を押し上げた。 実際、2023年5月、最初のOrdinalsブームのピーク時には、取引手数料はブロックあたりの総収入の43%を占めた。その後、Ordinalsの需要が再び急増し、個々の取引にかかる手数料は37ドルにも達し、それまでの2年以上の期間で最高の水準に達した。 半減期(現在のところ4月20日と予想されている)中に開始される予定のRunesのような新しいトークン規格は、BRC-20の優位性に挑戦し、ビットコイン上のトークン化にさらなる効率的な選択肢をもたらすことを目指している。 こうした進展は、BRC-20のさまざまな取り組みやICP(インターネットコンピューター)ネットワーク上の分散型マイニングソリューションとともに、ネイティブな分散型アプリケーションの導入や、Ordinalsを販売・取引するためのプラットフォーム「Bioniq」のデビューをはじめ、大手暗号資産(仮想通貨)取引所のインスクリプションサービスやBTCFi資産への投資も生み出している。 これらは、ビットコインに1対1でペッグされ、ICPネットワーク上でのビットコインに相当する「ckBTC」の開発から大きな恩恵を受けた。ckBTCの取引活動は活発化し、12月には100万件を超える取引が記録され、その総額は6700万ドルを超えた。 次の半減期サイクルを後押ししているもう1つの最近の動きは、1月に米証券取引委員会(SEC)によって複数のビットコインETFが承認されたことだ。 これは機関投資家への普及の進展を示すだけでなく、すでに承認されたビットコインETFだけでも今後3年間で2200億ドル以上の資金が流入する可能性があると具体的に予測されている。 また今後数年間で、さらに新たなETFの登場が相次ぐだろう。流入資本の増加は、ビットコイン価格を押し上げるだけでなく、ブロックスペースをめぐる競争を激化させ、ひいては手数料をさらに高めることになる。