罹患者数で見る「大腸がん」都道府県ランキング 最新版「全国がん登録」データからわかること
大腸がんは1970年代から増え続け、現在、日本人がもっともかかりやすく、亡くなりやすいがんだ。最新のがん罹患者数でも男女あわせると1位、死亡数でも2位だが、地域差があり、とくに「かかりやすい県」が存在するようだ。 【ランキングを全部見る】「大腸がん」罹患者数の都道府県別ランキング1位から10位 ■大腸がんにかかる人が最も多い地域 そこで本稿では、3月22日に発表されたばかりの『全国がん登録2020』(厚生労働省)から、大腸(結腸)がんの罹患者数が多い順にランキングを作成した。 (外部配信先では画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)
がんは年齢が高いほどかかりやすいため、高齢者が多い地域ほどがん患者は増える。今回紹介するランキングでは、そうした地域差を排除した年齢調整罹患率(人口10万人対)を用いているため、地方や都市部など年齢構成の異なる地域でも、正しく比較できる。 1位は秋田県、2位は青森県。10位までには北海道や岩手県など、雪国が目立つ。これは、前回(2019年)の統計とほぼ同様。いずれも飲酒率や喫煙率が高く、運動不足や肥満の割合の高いことがよく指摘されている地域でもある。
ランキングでは紹介していないが、青森県、岩手県は死亡率でも5位以内に入っている。 ■酒類の支出金額でも上位にいる 総務省統計局が公表した『家計調査(二人以上の世帯)』(令和5年)によれば、酒類の支出金額の都道府県庁所在市別ランキングは、新潟市が1位(6万5012円)、青森市が2位(6万4525円)、盛岡市が3位(6万1170円)、広島市が4位(5万7705円)、秋田市が5位(5万7363円)となっている。
最新の研究で、大腸がんの確実なリスク要因が、「過度な飲酒」「喫煙」「肥満」「高身長」「運動不足」とわかっている。糖尿病や女性の「加工肉、赤肉の過度な摂取」もリスクとなる可能性がある。 ■大腸がん罹患者数11位以降と全国平均 東北・北海道などの雪国では、雪に閉ざされた冬期の運動不足も問題となる。特に高齢者にとっては、屋外での運動が困難になりがちで、若い世代も移動手段に車利用者が多く、日常的な運動量が減少気味だ。