中山秀征 「いつまでもバカで」永遠の憧れ・志村けんさんの言葉を胸にテレビで笑いを届ける
タレントの中山秀征(56)が22日に東京・新宿の新潮社で行われた著書「いばらない生き方―テレビタレントの仕事術―」(22日発売、新潮社)刊行記念トークに出席し、2020年3月に亡くなった志村けんさん(享年70)との思い出を語る場面があった。 中山らしい鮮やかなピンク色のスーツで登場した中山。今回出版した経緯を「これまで自分を振り返ることがなかなかなかった。実際にやっているときは説明が分からない。自分が生きてきたテレビの軌跡をたどってみよう」と感じたという。「こんな生き方もあるぞ。何らかの力になれたらな」という強い思いが出版を後押ししたと語った。 30年間途切れずに生放送を続け、かつ、番組MCとしてじっくり話を聞いた人の数は数千人を超える中山。今、再評価されるのは、共演者の魅力を自然に引き出す巧みなMC術と「全員を生かす」関係重視型リーダーシップ。実は深くて実は楽しい中山の「戦略」が本邦初公開される。 この日、スペシャルゲストとて、3月を持って放送作家を引退した鈴木さんが登場。放送作家として30年以上テレビを守り続けてきた鈴木さんとともにトークを展開。今回が2人での対談は初めて。対談前に食事をする機会があり、テレビ業界でともに切磋琢磨(せっさたくま)してきた仲間として、テレビ論を交わしたことが今回の対談につながったと明かした。 昭和のお茶の間を沸かせてきた志村さんに「憧れていた」という中山。2020年3月、志村さんが亡くなる直前まで「最後までよくしていただいていた」と言及した。 “ゲストとして番組に出ない”で有名だった志村さん。中山の番組に志村さんが「出たい」と志願し、共演が実現。共演から多くの番組やプライベートでも親交を深め、「お亡くなりになったのは残念ですけど、最後まで一緒にいさせてもらいました」としのんだ。 志村さんからかけられた言葉で一番印象に残っているのは「いつまでもバカでいろよ」という言葉。 「“バカ”というのは我々にとっては一つの褒め言葉。我々の世界で、しかも志村さんから馬鹿らしいことをやっていることを認めてもらった」と自信につながったという。 「“利口になって勘違いをして、消えていったヤツはたくさんいる。馬鹿馬鹿しいことが好きでやっているということを忘れるなよ”と言われたことが印象に残っている」と回顧。永遠の憧れである師匠・志村さんへの熱い思いを胸に、“バカらしさ”を忘れず笑いを届けていく。