2024年 第35回「高松宮殿下記念世界文化賞」受賞者 坂 茂、アン・リーなど5部門5名に決定
絵画部門 ソフィ・カル(フランス)
フランスを代表するコンセプチュアル・アーティストの一人。他者へのインタビューを通して詩的な要素を含む話を探求し、写真と文字を組み合わせた作品を発表してきた。
演劇・映像部門 アン・リー(台湾)
米国を中心に活動する台湾生まれの映画監督。洋の東西を問わず、時代の奔流と向き合う人間を描く芸術性と、多くの観客を引きつける娯楽性を両立させた作品を生み出し、世界的な名声を得ている。
彫刻部門 ドリス・サルセド(コロンビア)
南米コロンビア・ボゴタを拠点に活動している彫刻家、インスタレーション・アーティスト。暴力、喪失、記憶、痛みをテーマに、そのメタファー(隠喩)として椅子など木製家具や衣類、花びらといった身近な素材を再利用、再構築しながら表現している。
建築部門 坂 茂(日本)
独創的な素材、紙管の選択と革新的デザインで建築に新たな地平を切り拓いた。
音楽部門 マリア・ジョアン・ピレシュ(ポルトガル/スイス)
現代を代表するピアニストの一人。3歳のときに独学でピアノを始め、4歳で初舞台を踏む。譜面を読むより先に、曲を耳で覚えて弾いていたという。
第27回若手芸術家奨励制度 コムニタス・サリハラ芸術センター(インドネシア)
コムニタス・サリハラ芸術センターは、音楽、ダンス、演劇、文学、映画や美術などの多様なジャンルで表現活動を推進する、インドネシア初の民間複合文化施設。軍事政権下で芸術活動の自由を求めて1995年に誕生した組織のコムニタス・ウタン・カユ(KUK)が母体で、2008年、アーティスト、ライター、ジャーナリストらの支援で首都ジャカルタに設立された。「サリハラ」はクマツヅラ科の花の名に由来する。
活動の趣旨は、思想と表現の自由を守る芸術活動を推進し、多様性を尊重して、芸術的資源、知的資源を育成すること。そのために長期的な視野で実験的なプログラムを支援し、観客が批判的な目を養うことにも取り組んでいる。
センターでは、3,800平方メートルの敷地に、ブラックボックス型(舞台と客席が一体となった四角い空間)の室内劇場、ダンスと音楽のスタジオ、アートギャラリー、ショップ、カフェなどがあり、演劇やダンスの公演、音楽コンサート、展覧会、読書会、討論会、ワークショップなど、年間100件以上のプログラムを実施している。