実店舗を持たないブランドがここにきて「急成長」しているカラクリ…アパレル新時代に知っておきたいキーパーソンたち
日本のアパレル市場の現状
民間調査会社がおこなった【衣料品の購入に関する調査】によれば、直近1年間の衣料品購入場所に「衣料量販店」が衣料品購入者の約45%、次いで「ショッピングセンター(37%)」、「インターネットショップ(37%)」が各4割弱とあるように、衣料品購入ツールの1つの選択肢としてインターネットスペースの存在は無視することは出来ない購入ツールとして、すっかり定着している。 【写真】美しすぎる…佳子さまの「真っ赤なコート」姿はこちら! 年齢、性別によって購入頻度や使い方などに違いがあるにせよ、本格的なアパレル専門サイトのゾゾタウンが誕生して20年も経った現在、より賢く購入手段を使い分けする生活者も生まれてこよう。先の調査の続きになるが、衣料品をインターネットショップで購入する場面として「店頭よりも価格が安い(31%)」、「色やサイズ等がわかっているものを買う(26%)」は、実店舗との検証の結果だろうし「セールなどで割安で購入できる(32%)」、「店に行けない、行くのが面倒(27%)」といったインターネットショップの利点を活用しながら、上手く使い分けている生活者が、多いのではないかと思う。 日本のアパレル市場は、大企業による寡占化が進んでいるのが現状だ。大企業による大衆ブランド達が壮絶なシェア争いが繰り返されている中で、ここ数年、Z世代を中心に若者が起業する新しいファッションブランドに人気が集まっている。これは、一時のちょっとした流行に過ぎないのか?それとも新たなアパレル業界の潮流となるのか?考えてみたいと思う。
D2Cブランドの誕生
Direct to Consumerを略してD2Cと呼ばれるブランドとは、自分たちで企画・製造した商品を、小売店などを介さず直接生活者に販売するスタイルのブランド。広義では実店舗を持たずオンラインのみで流通させているブランドを指す。一般的にブランドの世界観を表現するひとつの方法として旗艦店を有するケースがある中で、実店舗を持たない形のブランディングは、初期投資と運営経費がリーズナブルにできることから、資金の少ないメーカーや若者でもチャレンジしやすいのが特徴のひとつといえる。 日本一大きなファッションポータルサイトのZOZOTOWNのコーディネイト投稿アプリの「WEAR」サービスが始まったのが2013年のこと。現在ではコーディネイト写真が閲覧できるサービスとしてすっかり定着している。 このサービスのローチン当初、コーディネイト投稿アプリ「WEAR」を広く拡散させる狙いとして、公認ユーザー「WEARISTA」を募集、その合格者の中に古賀玄治氏が居た。 誕生間もない頃からWEARISTAで「げんじ」として自身のコーディネイトを投稿。並行してYouTubeにも動画を投稿。投稿に対する反応やデータを分析した結果、カジュアルとキレイ目の「中和」を目指したファッションが一番オシャレに見えるという独自の法則を導き出し、服の見せ方選び方、コーディネイトの仕方などを基本理論として伝えていったところ、「わかりやすい」、「納得」、「マネしやすい」などの共感の輪が広がっていった。