園芸好きの間で話題の〈日本一美しい牧場の宿根草ガーデン〉誕生秘話
園芸好きの間で話題のガーデンが神奈川県愛川町の牧場にあります。丹沢の山々を眺めながら牛の鳴き声をBGMに小さな階段を上っていくと、ガーデナーの平栗智子さんこだわりの植物が出迎えてくれます。そのほとんどは宿根草。決して豪華なものばかりではないのに、いつまでも見ていたい居心地のよいガーデンです。 『趣味の園芸』4月号からスタートした新連載「日本一美しい 牧場の宿根草ガーデン」では、多種多様な宿根草と、庭づくりのヒントを毎月紹介します。 4月号より、ガーデンの誕生秘話を紹介。
どうして牧場に宿根草ガーデンが?
ガーデナーの平栗智子さんが勤めていた園芸店が2014年に閉店することになり、残った苗を服部牧場が引き取った。その植えつけを担当したのが平栗さん。 「当初は苗を植えつけるだけで終わりのはずでした。でも、ちゃんと育っているか、気になって見に行くと、雑草が生えていて......。ガーデンは植えつけてからが始まり。放っておくと植えつけた草花はあっという間に雑草に埋もれてしまいます。草取りや枯れ葉の掃除など、頼まれてもいないのについついお世話にやってきてしまいました。そのうちに、居心地のよさに離れがたくなり、半ば居座るような形に......」 草花は美しく育ち、そこは、すっかりガーデンに様変わり。そんな眺めを見たスタッフたちの後押しもあり、平栗さんは牧場ガーデンのガーデナーとして働くように。 園路のレンガを敷いたのはスタッフのみなさん。仕事柄各地の自然の景色を見ている社長は植物好きで、宿根草メインの植栽に深い理解があるという。そんな牧場の人たちに恵まれたこともガーデン誕生に欠かせない。もちろんすべては平栗さんのやさしいお節介から始まったのだけど。 ナチュラリスティックに移り変わる四季折々の宿根草と庭づくりのヒントを、テキストでお楽しみください。 平栗智子(ひらくり・ともこ) ガーデナー 園芸店でサンプルガーデンや宿根草の仕入れを担当し、ガーデンボランティアで経験を積む。2015年秋から神奈川県愛川町にある服部牧場内の宿根草ガーデンのデザインや管理を手がけている。 服部牧場(神奈川県愛甲郡愛川町半原6087) *牧場は入場無料。ガーデンのオープンは6月の予定です ●『趣味の園芸』2024年4月号 新連載「日本一美しい 牧場の宿根草ガーデン」第1回より