【福原直英の福を呼ぶ馬】ブローザホーンを信じ切った菅原明良騎手の好騎乗!
宝塚記念。芝コースを引き上げてくる菅原明良騎手への「アキラコール」を生で聞いてきました。最終レース後の佐々木蔵之介さんのトークショーにも飛び入り参加してくれたので、さっそくそのときの心境を尋ねてみたら「ナカノコールを思い出しました。この馬も中野厩舎だったので!」。生まれるはるか前のエピソードを持ち出すところはあっぱれです。そして、文尾に「!」をつけたくなるほど、始終彼の表情も言葉も本当にうれしそうでした。 ご承知の通り、ブローザホーンは中野栄治調教師の定年にともない、関西の吉岡辰弥厩舎へ転厩。それでも鞍上が変わることはなく、今回見事に馬も騎手も調教師も初のGⅠ制覇にたどり着いたわけですが、ゲート入りの最中にも雨が本降りとなるような天候の重馬場。それを後方で構えて直線大外から伸びてくる。渋った馬場が得意な馬とはいえ、まさにブローザホーンを信じ切っていたからこその騎乗と感じます。 パートナーを信じて、とは騎手からよく聞くフレーズ。それと関連しているのか、最近は若手騎手の間でも位置取りを含めて、ゆったり、じっくりと構えているケースが多くなっている気がします。長距離だけでなく短距離戦でも、先行争いを眺めつつコーナーに入るあたりでそろそろ進出…といったレース運びは老練と見えなくもない。しゃべりの世界にも似たような状況があり、限られた時間だといつもより余計に言葉を繰り出してしまうことが。いやいや、一旦周りを見渡してから進みなさいよ。親子ほど年の違う騎手たちに学んでいる夏競馬です。(フリーアナウンサー)