草なぎ剛さん「生まれてからいちばん、今の顔が好き」。最高の自分をつくる秘訣
映画『碁盤斬り』で、復讐に燃える主人公を演じた草なぎ剛さん。自身も「今の自分の顔がいちばん好き」と話すとおり、年を重ねるごとに深みを増す、草なぎさんの魅力に迫りました。 【写真】草彅 剛さんの横顔
草なぎ剛さんインタビュー。「僕自身も味わいのある“ヴィンテージ”になりたい」
「僕ね、生まれてからいちばん、今の顔が好き。自分で言うのもなんだけど、年齢を重ねて味が出てきたっていうか。僕はデニムもギターも枯れた感じのヴィンテージが好きだし、最終的には自分もそうなりたい。そういう意味では、いい方向に進んでるんじゃない? と、今回の映画で手応えを感じたかな」 映画『碁盤斬り』を観た感想を、そう語ってくれた草なぎ剛さん。スクリーンに映る鋭い表情と静かなたたずまいは、まさに経験を重ねた今だからこそ、にじみ出るものかもしれません。 演じているのは、身に覚えのない罪を着せられ、故郷を追われて娘と江戸の長屋で暮らす、実直な人柄の柳田格之進。ある日、冤罪(えんざい)事件の真相を知らされた格之進は、事件を仕組んだ黒幕への敵討ちを決意します。 「僕は正直、格之進を演じながら、すごく腹が立ってたの。かわいい娘を苦しめてまで復讐(ふくしゅう)ようとするなんて、無責任にもほどがあるだろうと思って。だから格之進の気持ちにはまったく共感できないんだけど、やっぱりすてきな役にしたいとは思うから。今の時代にはない、古きよき美徳のようなものを感じながら演じていました」
「“今”を全うすることが、最高の自分をつくる」
体だけでなく、気持ちの面でも健やかさを保つには、受け身で待つのではなく、自ら楽しむ姿勢も大切だと話します。 「僕、現場では独り言ばっかり言ってるからね。周りは『剛くん大丈夫かな?』って思ってるかもしれないけれど、僕は自分で自分を楽しませるためにわざとやってるの(笑)」 仕事でもプライベートでも、年々「楽しさ」を重視するようになったのは、年齢にあらがいたいという思いから。 「大げさに言うと、人間ってみんな死に向かって生きてるわけじゃないですか。だからなにもしなかったら、悲しくなっていくのは当たり前なわけじゃん。だけど、そうはさせないぞ、と。逆に楽しくしていこうぜ! という気持ちで、ギターやバイクのように好きなことを見つけて楽しく過ごす。それに、年を重ねていないと習得できないこともあるからね。お芝居も奏でる音楽もそうだけど、若い頃とは違うと思うんですよ。その違いを楽しんでいきたいよね」 何歳になっても、自分を楽しむ。そのためにはどんな心がけが必要なのでしょうか。 「今を生きること。だって一年前の自分ですら、もう戻ってこないわけで。未来や過去を考えるのもいいけど、目の前の今を全することが、最高の自分をつくるんじゃないかな」 常に今を見据える草なぎさんだからこそ、今後も新たな魅力を見せてくれるに違いありません。 映画『碁盤斬り』では、身に覚えのない罪を着せられ、その復讐に燃える主人公・柳田格之進役にて出演されています。 ※ 草なぎさんの「なぎ」は、正しくは弓へんに旧字体の前に刀
ESSE編集部