「これで最後」「本当に最後」…闇落ちするのは「イッペイだけじゃない」…!違法ギャンブルで「狙い撃ちにされる」日本人たち
ドジャースの大谷翔平選手(29歳)の元通訳、水原一平容疑者(39歳)に対し、連邦検察は「銀行詐欺罪」で訴追した。違法ギャンブルにより、大谷のカネに手を出さざるを得ないほどの負債を抱えた水原容疑者。 【写真】笑顔が消えていた…イッペイの変わりゆく表情 前編記事『「イッペイは最初からハメられていた」…水原一平容疑者が陥った、違法ブックメーカーの「巧妙な手口」』に続き、水原容疑者の深刻な状況について専門家に聞いた。
約62億円の負債を抱えていた水原一平容疑者
「自分がカモられているのをわかっていてもやめられない、それが依存なんです」 そう話すのは、ギャンブル依存症当事者やその家族らでつくるギャンブル依存症問題を考える会の田中紀子代表。 1600万ドル(約24億5000万円)のカネを大谷の口座から違法賭博の胴元に不正に送金していた水原容疑者は、13日(現地時間12日午前)、米カルフォルニア州ロサンゼルスの連邦地裁に出廷した。 捜査当局によると、水原氏が賭けで勝ったのは1億4000万ドル(約214億円)で、1億8000万ドル(約276億円以上)は負けていた。違法ブックメーカーのマシュー・ボウヤ―氏に対し、4060万ドル(約62億円)以上の負債を抱えていたとされる。
ギャンブルで返すしかない
「水原容疑者の場合、大谷さんのおカネに手を付けたということで非常に大きな問題になっています。しかし、ギャンブル依存症当事者が家のおカネに手を付ける、なんてことはよくある話。依存状態が進むと、やがて善悪の判断もつかなくなる。 大金があって、それを動かせるパスワードを知っている、なんて環境に身を置かれたら、誰にでも起こりうる話です。やったことが明らかになったらクビになる、犯罪として罰せられるとわかっていても考えが向かないんです。意志の力が働かないのが依存症です」(田中代表、以下「」も) また、ギャンブルでできた借金はギャンブルで返すしかない、やり続けるしかない、といった強迫観念にも襲われる。 水原容疑者には大谷のカネがある――そこに目を付けた胴元は、彼の懐に巧みに入り込んだ。結果、水原容疑者は違法賭博組織の金づるになったのだ。 「発覚しなければ、もっと大量のおカネをつぎ込んでいた可能性は非常に高い。したがっておそらく、彼はいま裁判にかけられて、ホッとしているんじゃないでしょうか。違法行為で捕まり、『これでやめられる』と安心したと語るギャンブル依存症当事者の声はよく聞きます」 「水原容疑者はつらかったと思いますよ」と田中代表。