雪捨て場へのアクセス道 国・青森県・青森市が連携排雪 渋滞解消、作業効率化へ
青森県は3日、青森市の国道4号から青森港の雪捨て場に向かう道路の除排雪を国、同市と連携して行うと明らかにした。市内各地の道路脇に寄せられた雪を運ぶダンプトラックの渋滞を解消し、除排雪作業を効率化する狙い。1日当たりの排雪範囲が広がる可能性があるほか、作業時間短縮に伴う経費削減などの効果が期待できる。 除排雪はこれまで、国、県、青森市が所管する道路をそれぞれ担当していたが、3者はトラックの不足を受け、国や県のトラックに市道の雪も積み込む「スクラム除雪」を昨年度に開始。本年度はスクラム除雪の取り組みを発展させ、国道4号と青森港浜町緑地の雪捨て場をつなぐ「税務署通り」と「平和公園通り」(いずれも市道)の除排雪でも連携する。 県道路課によると、豪雪で両道路の除排雪が追い付かず道幅が狭くなると、建設業者のトラックが通過する深夜帯に渋滞が発生し、市内各地の除排雪に遅れが出ていた。 3者の連携で除排雪を徹底すれば、市内各地から雪捨て場に向かうトラックの往復回数が増え1日当たりの排雪範囲が広がるとみられる。県が建設業者に支払う除排雪の委託料は作業時間などで算出されるため、渋滞の解消は経費削減にもつながるという。 昨年度は雪が少なかったため、スクラム除雪の実質的な作業は本年度が初めて。県はトラックに搭載した衛星利用測位システム(GPS)のデータを活用し、雪の積み込みや除排雪の連携による作業効率化の効果を検証する方針だ。 宮下宗一郎知事は3日の記者会見で「トラックがスムーズに動くようになれば、作業全体の効率が上がる」と述べた。 県は本年度、東青地域の県管理道路を対象に行っていた排雪予定箇所の事前公表を中南、西北地域に広げインターネット上のサイトで閲覧できるサービスを開始。八甲田・十和田ゴールドライン(国道103号)の道路情報を3次元の地図に表示し、建設業者の除雪作業の負担を減らす実証実験も始める。