大阪のホテルに氷ツリー クリスマス終了後すぐ壊します
大阪のホテルに氷ツリー クリスマス終了後すぐ壊します THEPAGE大阪
今や街はクリスマスムード一色だ。そんな中、大阪のキタ新地に面した「ANAクラウンプラザホテル大阪」(大阪市北区)の中庭に、高さ3.3メートルの氷のツリー彫刻がお目見えした。ホテルのシェフたちによる制作で、大阪のホテルでは唯一の試み。午前9時から作業を開始し、午後5時には完成そしてライトアップ。「大阪の街が元気になって欲しい。キタ新地も活気づいて欲しい。そんな意味を込めて6年前から始めたものです」と、シェフらも気合が入っている。その制作現場に立ち会った。
新地のお客さんも通りすがりに見てもらえる
氷柱20本、2.7トンもの氷を使い、巧みな技術で氷細工を完成させていく。同ホテルの巨大氷細工は6年前から始めたもので、毎年クリスマスの時期に合わせて行っている。 「始めたきっかけは、ホテルの景気を取り戻そうというのと、キタ新地の活気も落ちていたので、ちょっと目立とうという狙いです。ホテルのカフェの窓からも見えますし、新地のお客さまも通りがかりに見てもらえる。喜んで頂いてますよ」(宴会料理長の平田毅さん) 平田料理長は氷細工のプロフェショナルでもあり、毎年開催されている氷細工の世界大会(北海道旭川)にも参加している。「来年2月にあるんですが、うちからも3人が参加します。私は審査員で行かせて頂きます。これまで、アメリカやカナダにも行きました。日本人は器用なので、海外でもいつも上位にランクされていますよ」という。
クリスマスが終わったら即座に壊す
クリスマスツリーのデコレーションは街に溢れているが、氷のツリーは大阪初だろう。25日まで2日間ホテル北側(キタ新地側)に飾られるが、クリスマスが終わったら即座に壊すという。 「氷彫刻を職業でやってる人は少ないです。それでも、10数人はいると思います。東京のホテルには氷彫刻のセクションがあり、その仕事だけでホテルに勤務しています。地方の大会に出てPRをするわけです。海外に行くと、氷彫刻で賞金を稼ぐ人もいる。大阪では残念ながら、そこまでの需要がない。パーティーの時に料理人が氷彫刻を置いて飾ったりはしますので、けっこう評判はいいですよ」 チェーンソーなどを使い、8人がかりでの作業で、工事現場さながら。昼には半分が出来上がり、予定の夕方5時には珍しい氷の巨大ツリーが完成した。 「これまで動物のオブジェばっかりだったんですよ。ツリーは初めて。ダイヤモンドと一緒でカットが多い方が綺麗ですが、氷の中に光が通り、綺麗に出来上がったと思います。大変でしたけどね」と、平田料理長は感想を述べた。 スマホで撮影していた20代女性に話を聞くと、「むっちゃ綺麗ですよね。とくにライトアップが綺麗です。たまたま通って初めて見ました」と、笑顔で語った。確かにきらびやかで、目を楽しませてくれる。 (文責/フリーライター・北代靖典)