買い物弱者支援 「どんな集落にも」 長野県天龍村 移動販売車が本格運行
長野県天龍村は27日、見守り・ご用聞き事業「やまびこデリ」で運行する移動販売車のお披露目式を村役場で開いた。買い物弱者対策の一環として、民間の移動販売車が及ばない地域などをカバー。2月からの試験運行を経て本格始動する。永嶺誠一村長は「大いに活用してほしい」と呼び掛けた。 村はこれまで、村商工会などと連携してさまざまな買い物弱者対策を検討。2020年に平岡商店街まで送迎するデマンドバスの運行と商品の宅配を行う「やまびこデリ」を始め、22年には公設民営のミニスーパー「満島屋」をオープンさせている。 移動販売は「対策の4つ目の柱」(永嶺村長)と位置付け、村社会福祉協議会が運営。週3回、送迎・宅配の利用者や要望があった家など計30軒ほどを回り、阿南町のスーパー「なんぐうマート」から仕入れた生鮮、レトルト、冷凍食品や惣菜、菓子、飲料などを販売する。運行は村集落支援員が担う。 この日は村の小中学生が考案したデザインにラッピングされた移動販売車が披露され、集まった村関係者が早速買い物を体験した。永嶺村長は「困っている村民の元に行って販売する、買い物弱者対策の最後の事業がようやくスタートする」と関係者の協力に感謝した。 運行を担当する集落支援員の柳澤通子さんは「民間ではいかない小さな集落にも積極的に行く。採算を求めず、見守りも兼ねているのが私たちの強み」と強調。当面はあいさつ回りをしながら周知を図っていくといい、取り扱う商品も利用者の声を聞いて検討する。 村地域振興課買物支援対策室の内藤孝雄さんは「商品を見て買いたいけど毎週出歩くのは体力的にきついという人たちもいる。地区の集会があるところに出向いて買ってもらうようなこともしていければ」と話していた。