富山マラソン 珠洲で被災した高岡のランナー 家族への思いを込めて走る
富山テレビ放送
2日、行われた富山マラソン。 今年は、能登半島地震からの復興を胸に、挑戦した人もいました。 被災地に心を寄せて走った高岡市のランナーを追いました。 *高岡市在住 大野尚志さん 「とても緊張している。初めてのフルマラソンはまだどういう世界か分からないところもあるので10キロの手前に家族がいるので、そこで元気な姿を見せたいなと思う」 富山マラソンに初挑戦する高岡市在住の大野尚志さん。 小学生から陸上を始め短距離を得意としていますが、フルマラソンは初めてです。 今回の挑戦は被災地に心を寄せ、走る姿で妻の両親に元気を届けたいという思いも込められていました。 元日の能登半島地震。 大野さんは珠洲市の妻の実家で家族とくつろいでいた最中に強い揺れに襲われました。 一瞬で家の中はめちゃくちゃに。 その後も揺れに怯えながら、車の中で不安な一夜を過ごしたと言います。 大野さんは妻と3人の子供との5人家族。 この日は珠洲市の妻の両親が遊びに来ていました。 先月の豪雨でも被害が出た珠洲市。 2度の災害で心が折れそうになったという妻の両親も自宅が公費解体されたことで、 新たな一歩を歩み始めていました。 大野さんとって珠洲市は特別な場所。 お盆と正月は妻の実家で過ごすのが恒例で、マラソンの楽しさを知ったのも珠洲でした。 *高岡市在住 大野尚志さん 「私が復興に向けて協力できることは限られているが、復興を応援しながら珠洲の義父母に頑張っている姿で笑顔を届けたい」 大野さんは住み慣れた高岡市の景色を楽しみながら、家族が待つ、8キロ地点を目指していました。 そこでは、妻の里美さんと子どもたち珠洲から応援に駆け付けた妻の両親などが大野さんの到着を心待ちにしていました。 *義父 中川政幸さん 「絶対に応援しようと思って(珠洲から)やって来た。もうワクワク、ドキドキする」 ポイントに近づき、大野さんの足も自然と弾みます。 *義父 中川政幸さん 「なんかみんなで一斉に何か言おうと思ってたが、あっという間で、頑張れだけしか言えなかった。本当に元気をもらえる走りだった」 *妻 里美 「笑顔で走ってくれたので、すごくよかった。このまま完走してほしい」 家族の声援を受けて、パワーをチャージした大野さん。 コース一番の難所で大野さんが楽しみにもしていた新湊大橋に差し掛かりました。 Q上りはどう? *高岡市在住 大野尚志さん 「予想通り、長いですね」 大野さん、一度も足を止めず登り切りました。 練習では20キロまでしか経験がない大野さんにとって、ここからは未知の領域です。 田園地帯からは強い向かい風。足には徐々に疲れがではじめていました。 ゴールまで残り10キロを切り… 大野さんは珠洲の風景を思い浮かべながら、気力を奮い立たせていました。 ゴールにはサプライズで再び家族の姿も。 *義父 中川政幸さん 「とても感動した。いっぱいエネルギーと元気をもらって能登に帰って復興復旧のために頑張る」 *高岡市在住 大野尚志さん 「いろんな声援を自分たち家族や親族、沿道の方、給水給食の方からたくさんいただいて、力になった。(富山マラソンに)挑戦できるきっかけを作ってくれた珠洲にも感謝しているし復興した珠洲の街で走りたいなと願いもある(これから義父母を)心の面で支えられたらと思う」 ゴールでは家族みんなで讃えている様子が感動でした大野さんの挑戦が家族にとって明日へのパワーにつながったことでしょう今年は記憶に残る大会となりました。 明日は3時間のペースランナーを務めた氷見の男性を紹介します。
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