空き家賃貸物件へ サポートセンターが新事業 DIY可能な家屋確保 福島県南相馬市
福島県の南相馬空き家・空き地サポートセンターは今年度、空き家となっている戸建てを賃貸物件として希望者に提供できるよう、空き家所有者への声かけに力を入れる。市内原町区のニューさいとうで開かれた総会で示した。 移住者を中心に若い世代は戸建ての賃貸物件を希望する声が多いものの、ほとんどの空き家所有者は売却を考えている。そこで昨年度実施した実態調査を基に、賃貸物件の確保に向けて「空き家賃貸確保強化事業」と「空き家流通サポート事業」を新たに始める。 空き家賃貸確保強化事業は、即入居が可能な優良空き家と一部修繕が必要な物件を賃貸として確保を目指す。扱いに迷っている所有者に、戸建て賃貸物件の需要の高さを伝え、提供してもらえるよう働きかける。即入居可能な物件とDIYができる物件の合わせて40件の確保を目標にしている。 空き家流通サポート事業は、小高区を中心に修繕が必要な物件や周辺への危険性がある物件を自由度の高いDIY物件として確保する。1件ごとに家賃や修繕費などを試算した提案書を作り、所有者に賃貸提供への理解を求める。空き家5件の利活用を目標に、倒壊などの危険性がある「特定空き家」や一部が破損したままなどの「管理不全空き家」の将来的な減少を目指す。
昨年度に実施した実態調査などによると、市内の空き家は2182件。同センターは空き家・空き地バンクへの登録や物件の売却支援などに取り組んでいる。 総会には約20人が出席。荒明健代表理事があいさつし、今年度の事業計画を決めた。 ■オンライン相談を受け付け 鹿島、小高の両区役所 同センターが運営を担う「空き家と住まいの相談窓口 ミライエ」は、南相馬市の鹿島、小高の両区役所でオンライン相談を受け付けている。市内原町区の相談窓口に行けないお年寄りなどのために、区役所で空き家や補助金制度などの相談ができるよう開設した。予約は不要で、相談無料。問い合わせはミライエへ。