役所広司、米アカデミー賞目前に緊張 カンヌから始まった旅の終わりに寂しさも:第96回アカデミー賞
第96回米アカデミー賞授賞式の前日となるアメリカ時間の3月9日、米ロサンゼルス市内の日本国総領事公邸で行われ、国際長編映画賞(旧・外国語映画賞)受賞に期待がかかる『PERFECT DAYS』チームの記者会見が開かれた。参加したのは、ヴィム・ヴェンダース監督、主演の役所広司、柄本時生、麻生祐未の4名。それぞれが、本番直前の思いや授賞式での楽しみなどを語った。 女優たちが美の競演!第47回日本アカデミー賞フォトギャラリー 『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』などで、これまで3度アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞にノミネートされているヴェンダース監督。今回、日本映画の監督としてオスカーに参加することについて、「日本の監督の中で、私が最年長だと思います。今でもドイツのパスポートを持っていますが、私の心の中では、なぜかいつも日本文化や日本映画に近しいものを感じています。私の先生は小津安二郎です。私は、日本のアカデミー賞をもらってとても名誉に思っていますし、非常に嬉しく喜んでいます。もし明日何かが起きたとしたら、それはごほうびみたいなもの(ケーキのデコレーションのようなもの)と考えています」とコメント。
初めてのアカデミー賞となる役所は、本番ではどんなことを楽しみたいかと聞かれ、「本当に楽しめるかどうかわからないんですけど、おそらく監督の後ろで、にこにこ笑っているだけだと思います。授賞式をテレビで見ていると、いろんなパフォーマンスがあったり、有名な歌手の人が歌ったりするので、それは楽しみですね。また、受賞者の人たちが、世界の情勢に合わせていろんなスピーチをされるので、それも楽しみではあるんですけど、テレビで見ているのと違って、字幕スーパーがないので、その辺楽しめるかどうかわからないですね。でも今までスクリーンで観てきた人たちを見るのは楽しみです」と語った。
また、ヴェンダース監督は、昨年の第76回カンヌ国際映画祭から1年近い旅を振り返って「(役所が演じた)平山との旅は人生を変える旅でした。 撮影だけでなく、数か月間編集で毎日彼の姿を見て、役所さんが平山になりきる姿を見てきました。そして今でも間違えて、(役所を)平山と呼んでしまうくらいです。平山は実際に生きている人間のように作られていき、実際の人物のように私の人生に大きな影響を与えました。 そして、姪っ子とのシーンで、『今度は今度。今は今』という言葉を聞きました。それは今の人生の中でも毎日心に残っている言葉です」と語った。