「正力松太郎賞」は紛糾の末に、DeNA・三浦大輔監督が初受賞
今年のプロ野球の発展に最も貢献した監督や選手に贈られる第48回「正力松太郎賞」の選考委員会が7日、東京都内で開かれ、セ・リーグ3位からの〝下克上〟で、DeNAを26年ぶり3度目の日本一に導いた三浦大輔監督(50)が初受賞した。 最終的には満場一致で三浦監督に決まったが、選考過程は紛糾した。日本一を達成したものの、レギュラーシーズンでは貯金2のリーグ3位。選考委員の高田繁氏、辻発彦氏からは「(ポストシーズンより)ペナントレースを重視すべき」として、就任1年目ながら91勝49敗3分けの貯金42、2位・日本ハムに13・5ゲーム差をつける圧倒的な力でリーグ優勝を果たしたソフトバンク・小久保裕紀監督(53)を強く推す声が上がった。 さらに高田氏から「(2位以下と)5ゲーム差以上離れた場合は、優勝チームに(CSでは)2つ(2勝)アドバンテージを与えるべき」との提言がなされた。 その中、最終的に2010年にリーグ3位から日本一となったロッテ・西村徳文監督が受賞していること、また「小久保さんとなると、(巨人の)阿部さんはどうなるの?」との声もあり、三浦監督で意見がまとまった。 選考委員会の座長を務めた王貞治氏(84=ソフトバンク球団会長)は「戦いの中で勝者は評価されるべき。下克上を成し遂げたその手腕は評価に値する。私もDeNAの強さは実際に目で見て、肌で感じた。勝負の世界はやっぱり勝たなきゃいけない」とした上で、来年以降は「正力松太郎賞=日本シリーズ勝利監督」との図式を見直したい意向を示した。(東山貴実)