主演は79歳、全編モノクロ…商業映画の“逆張り”東京国際映画祭3冠『敵』の世界観に没入【記者コラム】
原作者・90歳の筒井康隆氏も「よくぞモノクロで」
90歳になった筒井氏も映画の公式サイトに「すべてにわたり映像化不可能と思っていたものを、すべてにわたり映像化を実現していただけた。 登場人物の鷹司靖子、菅井歩美、妻・信子の女性三人がよく描き分けられている。 よくぞモノクロでやってくれた」とコメントしている。筒井ファンも必ず満足できるはずだ。 受賞会見で長塚は「ボチボチ、引退かなと思っていたので、奥さんはガッカリするでしょうけど、もう少し、この世界でやってみようかな」と話していた。以前、『お終活 再春!人生ラプソディ』でのインタビューでも、「日本では映画は若い人のものだからね」とシニアの活躍の場がないことを嘆いたが、まだまだ頑張っていただきたい。 ちなみに、同映画祭は10日間で208本を上映し、6万1576人(前回74841人、82.3%/219本、95.0%)を動員した。(平辻哲也)
平辻哲也