『降り積もれ孤独な死よ』謎の少女役でデビュー・水野響心。ネクストブレイク女優のスカウト秘話
演劇少女が家出少女役でドラマデビュー
――何か演技に目覚めた瞬間や、これといったきっかけがあったのですか? 水野 意外と人前に立つのが怖くないのかも?と思ったのは、1年生の時、初めて出た演劇の大会でした。あの時の達成感は、忘れられません。 ――そこから3年でのドラマデビューです。収録と舞台とではかなり勝手が違うのでは? 水野 どちらも緊張するのは一緒なのですが、一回だけの舞台と、いろんな方向から撮影するために同じ演技を何度も繰り返す映像作品では全然違って戸惑いました。 テレビで見ていた時は気づかなかったくらい、皆さん自然な演技をされていたんだなって。こんなに難しいことを当たり前にやってるなんて、改めてすごいと思いました。成田(凌)さんも、吉川(愛)さんも、山下(美月)さんも、演じている時とそうでない時の差があまりなく、ずっと素敵でした。 ――現場は楽しかったですか? 水野 とても楽しかったです。監督も共演者の方も皆さん親切で、緊張している私を気づかってくれました。でも、内心はずっと不安だったんです。 ――初めての経験ですから、当然ではないでしょうか。 水野 というのも、私は演劇部の活動が本当に楽しくて、三年間一度も辞めたいと思わなかったんですね。でも、それは一緒にやっていた友達や顧問の先生に恵まれていただけで、本当に演技が好きなのかな? こんな気持ちでやれるのかなって、初日の現場入りからずっと不安でした。もし思っていたのと違うって感じちゃったらどうしようって…。 でも、実際に美来ちゃんの役を演じている間に、女優という仕事、映像作品への気持ちが高まって。私、ちゃんと演技が好きだったんだとホッとしたというか、すごく安心できました。
「自然体な杉咲花さんの演技に衝撃を受けた」
――水野さんが所属されていた演劇部では脚本も自分たちで作られていたと伺いました。映画やドラマを参考にすることもありましたか? 水野 脚本の参考にもなるので小説は大好きで、湊かなえさんの作品などをたくさん読んでいたのですが、実は女優を目指そうと思うまで映画やドラマはあまり見ていませんでした。でも、あるとき杉咲花さんの『湯を沸かすほどの熱い愛』を見て、これって演技なの?と、自然体な杉咲さんに衝撃を受けました。 あまり映画を見て泣いたりしないんですけど、この作品はずっと泣きっぱなしで。演技って、こんなに人の心を揺さぶることができるんだ。私もこんなふうに誰かを感動させられたらいいなと思いました。 ――今は東京で一人暮らしをしているのですか? 水野 憧れの東京ライフだったのですが、まだ人が多すぎることに慣れないですね…。都会の人たちは、歩くスピードも生きるスピードも速い! ついていくのに必死です(笑)。 本当は高校の修学旅行で初めて東京に行けるはずだったのですが、コロナ禍で行き先が大阪に変わって、ディズニーがユニバに。卒業するまでほとんど地元から出たことがなかったので、都会はすごいなーって毎日、思っています。 ――ホームシックになったりは? 水野 自然が大好きなので、たまに地元に帰ってのんびりしたいな、自然に触れたいなって思う時はあります。でも、今はそれよりも次にどんな役を演じられるのか、憧れの東京で女優として歩みはじめた自分にワクワクしています。私が杉咲さんに感動したように、誰かの心を動かせる、そんな女優さんになりたいと思っています! 【水野響心プロフィール】 2005年、愛知県生まれ。‘24年、『降り積もれ孤独な死よ』(日本テレビ系)の月島美来役でドラマデビュー。全国に編集部を持ち、これまでに二階堂ふみや桜井日奈子、山本舞香など次世代スターの原石を発掘、掲載することで知られる『美少女百選』の2024年度版に選出された。趣味はスポーツ全般、カラオケ。特技は合気道、殺陣、ダンス、本を早く読むこと <撮影/尾藤能暢 取材・文/仲田舞衣 ヘアメイク/Tae>
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