「ラファ侵攻日決めた」首相が声明発表 ガザ南部に支援物資が入る イスラエル軍撤収も「何もかもなくなった」
イスラエルのネタニヤフ首相が、パレスチナ自治区ガザ南部ラファへ侵攻する日は決まっていると発言した。 一方で、イスラエル軍は地上部隊の一時撤収を経て、支援物資の供給を再開。 戦闘開始以来初めて自宅に戻ったという女性は、無残に破壊された家を見てぼうぜんとしていた。 【画像】ガザの境界付近で次の戦闘への準備を進めているイスラエル軍の様子
ガザ南部・ラファへの侵攻を示唆
イスラエルのネタニヤフ首相は8日、多くの市民が避難しているパレスチナ自治区ガザ南部のラファについて、侵攻する日にちが決まっていると発表した。 イスラエル軍は7日、イスラム組織ハマスと戦闘しているパレスチナ自治区ガザ南部から、地上部隊を撤収させたと発表していたが、ネタニヤフ首相は8日、声明を発表し、「ラファに入りテロリストを排除する必要がある。これは必ず実現する。日にちは決まっている」と述べた。 ラファには多くの市民が避難しており、侵攻すれば民間人の被害拡大につながるおそれがある。 ここからは、フジテレビ・立石修取材センター室長が解説する。 イスラエル軍が、ガザ地区南部のハンユニスから一時的に撤収し、1日経過した。 支援物資もガザに再び入り始めているようだが、状況が本当に改善するかは厳しい状況が続いている。 イスラエル軍の撤収を受けて、南部では支援物資を積んだトラックが入り始めていることが確認できた。 また8日には、イスラエルの発表によると、419台のトラックがガザ地区に入った。 これは戦闘開始以来過去最多の数字で、アメリカの当局者も「良いスタートだ」と、人道支援状況の改善を初期段階としては評価している。 実際に難民キャンプの映像を見ても、市民にまで物資が届いていることがわかる。 ガザ中部のデイルアルバラの学校に作られた難民キャンプでは、少年が大切そうに物資の箱を抱えている。 しかし、受け取り場所には、物資を引き取りに来た人が殺到しており、まだ物資が行き届いていない状況も見受けられる。 戦闘開始前は、ガザ地区に1日500台を超えるトラックが入っていたが、まだまだ足りておらず、非常に厳しい状況が続いている。 イスラエル軍が撤収した南部最大の都市・ハンユニスには自宅に帰る大勢の人の列ができていた。 手に最小限の荷物だけ持ち、住み慣れた故郷に戻ってきた人々だったが、そこはがれきの山と化していた。 多くの人が自宅を見つけられない中、せめて何か使える物が残っていないか、がれきをかき分け、探す人々の姿が見受けられた。 この半年間の攻撃が、いかに激しかったかわかる。 戦闘開始以来、初めて自宅に戻ったという女性は、無残に破壊された家を見てぼうぜんとしていた。 女性は「家族全員で幸せに暮らしていたが、何もかもなくなってしまった」と心境を話している。 インフラの破壊も深刻だ。 赤新月社が公開したハンユニスにあるアマル病院の映像では、敷地にクレーターのような巨大なくぼみができていた。 建物は破壊され、救急車も鉄くずのようになっている。