大杉の保存開始 樹齢数百年以上 射水・日宮社
射水市橋下条の日宮社で5日、「地域の守り神」とされる樹齢数百年以上、高さ約31メートルの大杉の保存作業が始まった。72年前の落雷で木の幹が割れて老朽化が進んでおり、地域住民は「地域の歴史を伝えるシンボルとして残していきたい」と力を込める。 大杉は幹周り約9メートルで、日宮社叢(そう)は戦国時代の「日宮城」の跡地で、県文化財に指定されている。地域の文化財継承に取り組む「橋下条の天然記念物・文化財 歴史遺産について考える会」の活動の一環で、約20年ぶりに保存作業を行う。 久郷一樹園(富山市)が施工を担当し、5日は作業員が木の幹の腐った部分を取り除いた。洗浄や除菌、保存剤の吹きつけなどを行い、4~7日ほどで作業完了する。 宮城澄男宮司は「若い世代に歴史を伝えるため、しっかりと残していきたい」寺林志朗地域振興会長は「住民にとって大切な思い出の木。子どもたちにも見てもらい、歴史を知ってほしい」と話した。