【中継】裁判が閉廷 元漁協組合長射殺で工藤会トップの野村被告は無罪「指示を認めるに十分合理的な立証がされていない」被告側は「有罪部分」について上告 福岡高裁
FBS福岡放送
福岡高等裁判所から中継です。裁判を傍聴・取材している樋口記者とつながっています。樋口さん。
■樋口淳哉記者 はい。福岡市中央区の福岡高等裁判所前からお伝えします。10階の法廷で開かれていた裁判は、1時間ほど前に閉廷しました。 裁判は午前10時から始まり、野村被告の一審判決が破棄され、無期懲役の判決が言い渡された際には、法廷内では慌ただしく記者の出入りがありました。なかなか席に戻ってこない記者もいました。 ■松井礼明アナウンサー 「判決の瞬間、野村被告の様子はどうでしたか。」 ■樋口記者 はい。野村被告は入廷してから裁判長をずっと見ていました。判決を言い渡されている際は、うなずいたり、かけていた眼鏡を外すなどしていました。 ■松井アナウンサー 「そして今回、死刑判決が破棄され、無期懲役の判決が言い渡されましたが、その背景にあるのはどういったことなのでしょうか。」 ■樋口記者 はい。1審判決では4つの事件で野村被告は「首謀者」と認定されていましたが、今回の裁判で一番重い殺人の罪に問われていた1998年の元漁協組合長が射殺された事件で、2審では「首謀者」とは認められず「無罪」となりました。 背景にあったのは、1審判決では組織として厳格な統制があり野村被告の指示があった推認しましたが、控訴審では1998年当時、野村被告の指示があったとまでは立証されていないと判断したことが要因とみられます。
4つの市民襲撃事件のうち、元漁協組合長の射殺事件について、判決では工藤会トップの野村被告の関与について「指示を認めるに十分合理的な立証がされておらず、論理則、経験則に照らして不合理で是認できない」と指摘し、1審の死刑判決を破棄し、無期懲役を言い渡しました。 ナンバー2の田上被告については共謀を認め、無期懲役とした1審判決を支持し、控訴を退けました。 そして、新たに入った情報ですが、野村被告と田上被告の弁護士が取材に応じまして「有罪部分」について上告したということです。