41年ぶりの再会「あなたがいなければ、私たちはここにいない」 沖縄水産の実習船が救った元難民、元船長と
きっかけは1本の新聞記事
長年、翔南丸の関係者を捜していたトゥオン・ヴィさんがある日、英字新聞「ジャパンタイムズ」に掲載された、2019年7月14日付沖縄タイムスの記事を目にした。同じ船で救助され、後に日本国籍を取得して都内でベトナム料理店を営む南雅和さんと、宮城さんの再会を報じていた。すぐに南さんを通して、宮城さんの連絡先を聞いた。 直接お礼を伝えに行こうと、日本行きの航空チケットを確保した。だが、世界的に新型コロナウイルスが流行し、あえなく頓挫(とんざ)。紆余(うよ)曲折があったからこそ、再会の喜びはひとしおだった。トゥオン・ヴィさんは「この数年、この時を待っていた。まさに夢がかなった」と声を震わせた。 今回来日したのは、グエンさんの末娘メン・トゥさん(39)と、トゥオン・ヴィさんの娘ヴィ・アンさん(23)を含む5人。グエンさんは「3世代にわたってきた。助けてくれてありがとうと直接面と向かって感謝を伝えたかった」と話す。感謝を示すため米国で制作した大きな盾を宮城さんに手渡した。宮城さんは「4日間だけだったが同じ釜の飯を食べた。渡米後も苦労したと思う。いつまでもこの縁が続くといい」と笑顔を見せた。 一行は6月14日、沖縄を離れた。ベトナムの親族を訪ねた後、米国に戻るという。グエンさんは「次は今回来られなかった残りの家族も連れてまた来たい」と話した。