ポピリン「すべてが報われた」ATPマスターズ1000初優勝、ヒューイット以来21年ぶりの快挙達成<男子テニス>
ナショナル・バンク・オープン
男子テニスのナショナル・バンク・オープン(カナダ/モントリオール、ハード、ATP1000)は日本時間13日(現地12日)、シングルス決勝が行われ、世界ランク62位のA・ポピリン(オーストラリア)が第5シードのA・ルブレフを6-2, 6-4のストレートで下し優勝。「ATPマスターズ1000」初のタイトルを獲得した。試合後には「何年もかけて努力してきたこと、犠牲を払ってきたこと、そのすべてが報われた」と喜びを表現した。 【動画】ポピリン「ATPマスターズ1000」初優勝の瞬間 25歳のポピリンは今大会、1回戦でT・マハーチ(チェコ)、2回戦で第11シードのB・シェルトン(アメリカ)、3回戦で第7シードのG・ディミトロフ(ブルガリア)、準々決勝で第4シードのH・フルカチュ(ポーランド)、準決勝でS・コルダ(アメリカ)を下し「ATPマスターズ1000」初の決勝に駒を進めた。一方、26歳のルブレフは今大会、初戦の2回戦でT・M・エチェベリー(アルゼンチン)、3回戦でB・ナカシマ(アメリカ)、準々決勝で第1シードのJ・シナー(イタリア)、準決勝でM・アルナルディ(イタリア)を破って決勝に進出した。 決勝戦、序盤からフォアハンドのミスを重ねるルブレフに対し第1セット第1ゲームでいきなりブレークを奪ったポピリンはその後の強烈なサービスを武器にエースを量産。第1セットだけで7本のサービスエースを決めるなどファーストサービスが入ったときに86パーセントの高い確率でポイントを獲得し、1度もブレークを許すことなく第1セットを先取した。 第2セット、勢いに乗るポピリンは第1ゲームで再びチャンスを握ると、最後は強烈なリターンエースを叩き込みブレークに成功。第6ゲームでブレークバックを許したが、直後の第7ゲームで2度目のブレークを奪うと、その後もルブレフに流れを渡すことなく1時間29分で快勝し、昨年7月のクロアチア・オープン・ウマグ(クロアチア/ウマグ、レッドクレー、ATP250)以来となるツアー通算3勝目をあげた。 また、ナショナル・バンク・オープンにおいて、世界ランク62位での優勝は1993年にM・ペンフォーシュ(スウェーデン)が当時世界ランク95位で達成した記録に次ぎ、史上2番目の低いランクでの優勝となる。さらに、オーストラリア人男子としては2003年のインディアンウェルズでL・ヒューイット(オーストラリア)が優勝して以来 21年ぶりの「ATPマスターズ1000」制覇となった。 男子プロテニス協会のATP公式サイトにはポピリンのコメントが掲載されている。 「何年もかけて努力してきたこと、犠牲を払ってきたこと、そのすべてが報われた。僕だけでなく、僕の家族、ガールフレンド、チーム、周りのみんながそうだ。彼らは僕のために人生の一部を犠牲にしてきた。彼らのために優勝できたことは本当に素晴らしいことなんだ」 敗れたルブレフは今年4月のムチュア・マドリッド・オープン(スペイン/マドリッド、レッドクレー、ATP1000)に続く「ATPマスターズ1000」3勝目、ツアー通算17勝目とはならなかった。