自慢の円形校舎に「ありがとう」、4月から解体工事の呉市港町小 1962年完成
広島県呉市海岸の港町小で17日、4月から解体工事が始まる「円形校舎」に児童が感謝を伝える集いがあった。中国地方では唯一現役で使われている珍しい校舎だが、老朽化したため建て替えられる。 全校児童約190人が校舎前の運動場に集まり、クイズに答えながら円形校舎や学校の歴史をたどった。児童を代表して、6年岩畔(いわぐろ)和花さん(12)が思い出を振り返り「自慢の校舎がなくなってしまうのは寂しい。最後までいっぱい思い出をつくって笑顔で卒業したい」と感謝の言葉を述べた。 最後に全員で校歌を合唱。授業参観で訪れた保護者たちも見守った。 円形校舎は1962年完成の鉄筋4階建て。1~3階は円形のフロアを扇状の教室がぐるりと囲み、4階は体育館。50~60年代に各地で建設されたが、現役としては全国でも少なくなっている。児童たちは4月に仮校舎へ移り、新校舎は2027年の完成を予定する。 この日は地域の人たちに開放して見学会も実施。児童が描いた円形校舎の絵や感謝のメッセージが飾られた。完成当時からの写真も並び、訪れた卒業生たちが懐かしそうに見入っていた。
中国新聞社