広島・中村貴 プロ初V撃は根尾を強襲「向こうはスター」 同世代2000年生まれ
「広島6-4中日」(4日、マツダスタジアム) 広島は初回に5点を先行し、今季初の6連勝。 【写真】ベンチで選手を出迎える新井監督 目を細めて 両手を懸命に伸ばし、中村貴浩外野手は外角の変化球に食らい付いた。出番に飢える男の快音が、猛攻の導火線になった。「アピールしないとダメなので、どんな形でも安打になって良かった」と必死の思いを言葉に変えた。同学年の根尾からプロ入り初の決勝打。価値ある一打でチームに貢献だ。 初回無死一、三塁で初球を捉え、投手強襲の適時内野安打。「ゴロを打ってしっかり走っていけば併殺はないと思った。『内野ゴロでもいいや』と思って」。割り切りが奏功し、根尾攻略の突破口を切り開いた。 相手右腕と同じ2000年生まれ。だが甲子園に4度出場し、4球団競合でプロ入りした根尾は雲の上の存在だった。「スターというか『すげー』と思って見ていた。向こうはスターというか知名度もあったけど、僕はない」。育成でプロ入りし、たゆまぬ努力で昨年に支配下選手となった若鯉。同じ土俵に立ち、バットで意地を示した。 開幕を2軍で迎えたが、バットのヘッドの使い方を自らに落とし込んで良化を実感。その意識付けとして、巨人・丸のようなヒッチ打法でも打撃練習を行っている。「結果が出なければ2軍」という危機感が常にあるからこそ、向上心は尽きない。「いつ試合に出られなくなるか分からない。どんな形でも安打を打ちたい気持ち。泥くさく、これから活躍して頑張りたい」。ひたむきに己の存在価値を高めていく。