市展入賞など功績、しのぶ 仲間たちが山本さん遺作展 三重・多気町絵画教室
79歳で昨年死去、古江の元小学校教諭
三重県多気郡多気町相可の相可公民館で活動する「多気町絵画教室」(大西初美代表、11人)は24日から同所のBANKYO文化会館(町民文化会館)で、昨年12月16日に79歳で他界した同町古江の元小学校教諭・山本小夜子さんの遺作展を開催している。5月7日までで観覧自由。
来月7日まで大小33点 町民文化会館で
山本さんは約35年前、松阪駅前にあった三交百貨店の絵画教室に通い、油絵を始めた。晩年は多気町絵画教室と松阪市内の教室に通い、多くの作品を手掛けた。これまで松阪市展では二席と岡田文化財団賞、奨励賞を受賞。県展でも数回入選している。 教室に通うメンバーにとってもアドバイスをしてくれる頼れる存在だったといい、今回山本さんの作品を通じて、在りし日の姿をしのんでもらえたらと、同教室が遺作展を計画した。 会場には、山本さんが残した作品の中から、遺族の協力で入賞や入選、最近の作品などサムサイズからF50号までの油彩33点を展示している。 市展で岡田文化財団賞を受賞した「刻(とき)」(F50)は、生まれ育った家の近所にある築100年以上の土蔵の壁がモチーフ。子供の頃の記憶や懐かしい気持ちを絵で残したいという思いから、同じテーマで描いた。何枚かあるうちの1枚だという。 県展入選作「祈り(がれき)」(同)は、戦火でがれきとなった向こうの青空の下に広がる菜の花畑を描き、平和への祈りを込めた作品。小作品では柿などの果物を描いた静物画も並んでいる。 約35年前に山本さんと一緒に絵を始め、これまで共に歩んで来た栗谷みちさん(75)=波多瀬=は「絵以外でも陶芸やエアロビクスなどの教室に通って、とてもバイタリティーのある人でした。集中してキャンバスに向かっていた姿が今でも浮かんできます。たくさんの人たちに作品を見てもらえたら」、大西代表(74)=兄国=は「とても親切で私たちとっては、なくてはならない存在でした。この機会にぜひ作品を見ていただけたら」とそれぞれ来場を呼び掛けている。 開場は午前9時から午後4時(最終日は正午)まで。