クルスク州でロ軍が車両30両超で連続突撃、ウクライナ軍第47旅団が10両撃破し撃退
つい1週間ほど前、ウクライナ陸軍第47独立機械化旅団の部隊は、ウクライナ軍が8月に始めた侵攻でロシア西部クルスク州につくり出し、現在およそ650平方kmの広さの突出部から西へ40kmほど離れた国境の町ノービプーチ周辺で、たいした意味があるように思えない奇妙な小競り合いを演じていた。第47機械化旅団は、米国製のM2ブラッドレー歩兵戦闘車やM1エイブラムス戦車を運用する精鋭部隊だ。 【画像】ロシア軍の車両10両を撃破したウクライナの第47機械化旅団 現在、第47機械化旅団の大隊は、もはやノービプーチ近辺をうろつく余裕はない。ロシア軍が7日に始めた大規模な反攻を食い止めるべく、第47機械化旅団は突出部の左翼で文字どおり死闘を繰り広げている。 5日の米大統領選・議会選でのドナルド・トランプ前大統領と共和党の勝利を受けた米政治情勢の急変に乗じ、さらにおそらく米国の対ウクライナ関係が大きく変化するとも見越して、ロシアはクルスク州で損害をかえりみず猛攻をかけている。ロシア軍はこの方面に展開させている第51親衛空挺連隊や第810独立親衛海軍歩兵旅団を増強し、その部隊をウクライナ側の陣地に突撃させている。第810海軍歩兵旅団には数千人以上の規模の北朝鮮部隊も加勢したもようだ。 クルスク州に散らばっていた人員や車両を再結集した第47機械化旅団は、ロシア軍の直接攻撃にさらされている。ロシア軍は12日、合計で30両を超える車両を投じ、5波にわたって第47機械化旅団の陣地に突撃をかけた。 第47機械化旅団は地雷やドローン(無人機)、ウクライナ国産のストゥーフナ-P対戦車ミサイルで応戦し、ロシア軍の車両10両を撃破した。残りの車両は、改編されたばかりの第17独立重機械化旅団(旧第17独立戦車旅団)などが含まれるとみられる近傍の友軍部隊が対応した。第47機械化旅団はロシア軍の「大規模な強襲は失敗した」と報告している。 ロシア軍はウクライナ側の発表で12日は2000人近く、13日も1800人近くと、このところ連日記録的な人的損害を出しながら、止まる気配がない。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は先に、ロシア軍に対してクルスク州からウクライナ軍を10月1日までに排除するよう命じていた。新たな期限は、トランプが再び大統領に就任する来年1月20日に設定されたようだ。