鈴木ゆうりさん

脳科学者の茂木健一郎がパーソナリティをつとめ、日本や世界を舞台に活躍しているゲストの“挑戦”に迫るTOKYO FMのラジオ番組「Dream HEART」（毎週土曜 22:00～22:30）。 1月20日（土）、1月27日（土）の放送ゲストは、海外マラソンコレクターの鈴木ゆうりさんです。27日（土）の放送では、昨年末に著書『わたし、世界を走ってます　20代で43カ国のマラソンを走って見えてきたこと』（徳間書店）を出版した鈴木さんが、さまざまな国でマラソン大会に出場して見えたことや、今後の夢や挑戦などについて語ってくれました。

1994年生まれ、愛知県出身の鈴木さん。大学進学後、2年間でおよそ20kgも増量したことをきっかけに、ダイエットとしてランニングをスタート。その後、ひょんなことから参加したホノルルマラソンを皮切りに、ロサンゼルス、シカゴとアメリカでのフルマラソンに立て続けに参加し、海外で走ることの楽しさに目覚めたそうです。 大学卒業後は、就職を機に海外で走ることを一度あきらめたものの、「もっと世界を走りたい！」という気持ちから会社を半年で退職。世界43ヵ国53のフルマラソンに出場。現在はSNSなどで「海外マラソンコレクター」の肩書を名乗り、東京都港区にあるオフィスに勤務しながら海外マラソンの魅力を発信しています。

◆ノリで始めたフルマラソン

茂木：まず、走るきっかけがダイエットだったと。でも別に、フルマラソンをしようと思ったわけじゃないんですよね？ 鈴木：はい、全然ありません。 茂木：リスナーのなかにも「私も痩せようかな」と思ってマラソンを始めた方もいるかもしれませんが、鈴木さんがすごいのは、そこからですよね。 鈴木：まずダイエットとしてランニングをスタートしました。私は、中学から大学まで文化系の部活しか入ったことがなかったんです。美術部、ガーデニング同好会、大学はピアノサークルに入っていました。そこで「ダイエットのためにランニングを始めるぞ」となって、最初は5kmぐらいしか走っていなかったんです。 茂木：そこまでは普通ですよね。 鈴木：はい。そんなときに、たまたま友達と12月にハワイのワイキキに遊びに行って。 茂木：それは、ただ遊びに行ったんですか？ 鈴木：そうです。遊びに行って（アラモアナセンターで）ショッピング中、なぜか日本人がすごく多いことに気づいて、インフォメーションカウンターの人に「何でこんなに日本人がいるんですか？」と聞いたら、「今週末にホノルルマラソンがあるんだよ」と。 茂木：それは偶然だったんですよね？ 鈴木：本当に偶然です。 茂木：ホノルルマラソンも、知らなかったんですか？ 鈴木：はい。そうしたら（インフォメーションカウンターの人に）「（ホノルルマラソンを）走りに来たんじゃないの？」と言われて、「全然違います」となって。そうしたら、友達から「でも、最近ランニングしているらしいじゃん？ 出れば？」って言われたんです。ホノルルマラソンは、前日までエントリーができることが発覚して、アラモアナセンターからそのままエントリーをしに行き、レース前日にまたアラモアナセンターで靴を買って走った、ということです。 茂木：計画性も何もないですが、そこですごいと思ったのが、何でそこでエントリーしようと思ったんですか？ 鈴木：ノリです。 茂木：ノリ!? フルマラソンは42,195kmですよ？「無理かな？」とは考えなかったんですか？ 鈴木：（友達から）「まぁ、いけるっしょ！」みたいな感じで言われて(笑)。 茂木：それまでの部活動は文科系だったんですよね？ 普通、フルマラソンをやろうと思ったら、みんな身構えてしまうと思うんですよね。そこで何でいけちゃったんですかね？ 鈴木：何でですかね（笑）。一緒にいた友達も「まぁいけるんじゃない？」とか言っていて、とにかくあんまり考えていないんですよね（笑）。 茂木：そのときの結果はどうでしたか？ 鈴木：何とか完走して、6時間20分ぐらいでゴールしました。そのときは「もう2度と出ない！」と思っていました（笑）。フルマラソン後の夜、友達とご飯を食べに行ったんです。そうしたら、友達から「マラソンを完走した女の人の平均のタイムが5時間15分らしいよ」「ゆうり、年配の参加者のタイムに負けているんじゃない？ ダサッ！」みたいなことを言われて（笑）。

茂木健一郎、鈴木ゆうりさん

茂木：そのお友達がいなかったら、今こうなっていないんですもんね。人生のコーチですからね。いずれにせよ、その言葉に押されてフルマラソンを始めたと？ 鈴木：はい。私も当時、今より結構短気で「悔しいからもう1回走るわ！」みたいな。それで、成田空港から家まで帰っている途中の電車で、ロサンゼルスマラソンにエントリーしたんです。 （TOKYO FM「Dream HEART」2024年1月27日（土）放送より）