マスク氏「連邦公務員を削減…在宅勤務なくせば離れていく」
トランプ米次期大統領が政府効率化省(DOGE)トップに選んだイーロン・マスク・テスラ最高経営責任者(CEO)が公務員の数を減らすとして在宅勤務を廃止する案を出した。 マスク氏は政府効率化省の共同トップに指名されたビベック・ラマスワミ氏とともに20日(現地時間)、ウォールストリートジャーナル(WSJ)に寄稿し、今後推進する連邦政府構造調整案を紹介した。これに先立ちトランプ氏は新しく発足した政府効率化省が「政府の官僚主義と過度な規制、浪費性支出をなくす」と明らかにした。 マスク氏とラマスワミ氏は寄稿で「我々の目標は2026年7月4日までにDOGEの存在理由をなくすこと」とし、構造調整プロジェクトの期限に言及した。そして構造調整の過程で公務員の数を大幅に減らすと明らかにした。 両氏は「連邦公務員を週5日事務室に出勤させれば多数が自発的に退職するはずであり、我々はそれを歓迎するだろう」と伝えた。寄稿でマスク氏は在宅勤務を「コロナ流行当時の特権」という認識も表した。ただ、職場を失った公務員が民間部門に移れるよう支援すると明らかにした。また、大統領に「大規模な解雇と連邦機関の首都圏外への移転」などの権限があると主張した。 これに先立ちマスク氏は2022年にツイッターを買収した後、職員に送った最初の団体メールで在宅勤務の禁止を宣言し、テスラの役員にも事務室出勤を要求するなど在宅勤務に否定的だ。 CNNは「在宅勤務を禁止して政府機関をワシントンの外に移せば、多くの公務員が自発的に離れるだろう」とし「トランプ政権2期目が公務員の数を減らして政府の予算を削減するという構想をしている」と伝えた。ラマスワミ氏は最近、SNSに最大25%の公務員削減が可能だと投稿した。 ◆労働組合が反発 「優秀人材が公職に来ない」 米連邦人事管理局(OPM)によると、現在130万人の連邦公務員が遠隔勤務の承認を受け、勤務時間の60%は事務室に出勤している。ブルームバーグ通信はトランプ政権2期目のホワイトハウスが在宅勤務を中断すれば連邦公務員労働組合と衝突する可能性があると予想した。 実際、連邦公務員労働組合の一つ、全米連邦職員連盟(NFFE)委員長のランディ・アーウィン氏は大量解雇に関連して法務チームと協議してきたと明らかにした。アーウィン氏はWSJに「労働組合は雇用縮小を憂慮する会員とタウンホールミーティングを開いた」とし「議員らにロビー活動をする計画」と紹介した。アーウィン氏は「我々は公務員を糾合して大きな戦いに備えている」と明らかにした。 米連邦職員連合(AFGE)政策責任者のジャクリン・サイモン氏はWSJに「マスク氏とラマスワミ氏は連邦政府の運営についてあまりにも無知だ」と主張した。サイモン氏は「米国の企業はより高い給与と在宅並行勤務方式を提案するはず」とし「公務員に在宅勤務という選択肢をなくせば公共サービスに人材を引き込むのはさらに難しくなるだろう」と懸念を表した。 アーウィン氏は「公務員の在宅勤務は災難への対応にも役立つ」と指摘した。国家的な災難状況を仮定すれば、事務室に集まって勤務するより分散して仕事をすることが人材保護レベルで必要という趣旨だ。アーウィン氏は「連邦職員が在宅勤務をできるようにした時点は2001年の米同時多発テロ後のブッシュ政権だった」とし、在宅勤務がコロナ当時の特権というマスク氏の言葉に反論した。続いて「マスク氏は在宅勤務をなくす措置が国家にどれほどマイナスになるか全く分かっていない」と主張した。 政府効率化に関連してマスク氏は、議会の許可を受けなかったり議会が意図しない用途で使われたりする予算が年間5000億ドル(約77兆円)を超えるとし、こうした支出を減らすと寄稿で明示した。削減対象は国際機構支援金15億ドル、公営放送公社(CPB)予算5億3500万ドル、進歩団体補助金3億ドルなどだ。