65歳で定年後、3ヶ月に1回は「信州」に旅行したいです。退職金「2000万円」と月々の年金があれば、夫婦での旅行は可能ですか? 収入はいくら必要でしょうか?
支出を賄うために必要な収入金額
日常生活で必要な費用は月額30万円、旅行費用は年額96万円とすると、平均で毎月38万円の支出が発生します。 病気やけが、冠婚葬祭や家電製品の故障など不測の事態が発生すると、想像を超える速さで資金が減少することも考えられます。「家計は黒字だから大丈夫」と安心するのではなく「いつ赤字家計になっても不思議ではない」前提で対策することをおすすめします。 老後は年金を受け取り始める人も多いでしょう。具体的な年金額は主に現役時代に加入する年金の種類や加入期間などによって変化しますが、平均月収が約40万円で40年間働いた場合、夫婦2人の老齢基礎年金を含めた標準的な年金額は23万483円(2024年度)とされています。 今回は夫婦合わせて月額23万円の年金を受け取り、定年時に2000万円の退職金をもらうと仮定しましょう。年金と退職金以外の収入や資産はないものとすると、先ほど挙げた「毎月の平均支出38万円」に対して、年金だけだと月額15万円の赤字となってしまいます。 赤字額は年間で180万円となり、何も対策しなければ2000万円の退職金もわずか11年ほどで底をついてしまう計算です。 85歳まで旅行をしたいと考えていても76歳頃には資金繰りが厳しくなるおそれがあるため、65歳以降もパートやアルバイトなどで働いて給料を得ることも積極的に検討してみましょう。 ライフスタイルは人それぞれなので一概にはいえませんが、黒字家計を目指すには不測の事態に備える点も含めて、今回であれば一例として年金と合わせて「月額40万円以上」の収入確保を目指すのも良いかもしれません。
まとめ
本記事では、年金と数千万円規模の退職金があれば、老後は好きな旅行をたくさんできるのか解説しました。地域やライフスタイルによって生活費は変わってきますが、近年は年金と退職金だけで悠々自適な老後生活を送ることは難しいでしょう。 65歳時点で数千万円の資産があっても、収入が少なく赤字家計だと想像以上のスピードで資金がなくなる可能性もあります。余暇を楽しみつつも、不測の事態に備えるために老後も引き続き収入確保を目指していきましょう。 出典 総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要 株式会社JTB 国内添乗員同行ツアー 日本年金機構 令和6年4月分からの年金額等について 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部