東大卒、元経産省キャリアが始めた餃子チェーン 「餃子が特別好きというわけではないんですが」
東京・JR新橋駅から歩くこと2分。開店祝いの花が飾られた店に入ると、まだ夕方なのに店内は満員である。ちょっと高級な感じの中華料理店に見えるが実は餃子が売り物だ。 【写真を見る】東大卒の元経産省キャリアである宇佐美氏
「亜細亜割烹 新橋蓮月」がオープンしたのは4月1日のこと。経営者の一人は宇佐美典也氏(42)である。 宇佐美氏といえば東大を出て経産官僚になったものの、30歳の時に「思うところあって」退職。以後はブロガーとして発信したり、再生エネルギーに関わるコンサルティングやコメンテーターなどさまざまな肩書で活動している。そんな宇佐美氏が、なぜ、新橋で餃子なのか。 「私自身は餃子が特別好きというわけではないんですが」 とは、当の宇佐美氏である。
「支店を出させてほしい」と持ち掛けたところ…
新橋蓮月を手掛けることになったのは、旧友たちとの付き合いが発端なのだという。 「私が生まれ育ったのは港区の青山周辺で、卒業したのも東京・港区にある公立の青南小学校です。近くにある青山小学校の出身者も含めて、7~8人の幼なじみとは長い付き合いです。その中の一人が大好きな餃子店が地元にありまして、私も時々、一緒に食べに行っていました。それが乃木坂の『亜細亜割烹 蓮月』という店だったのです」 1年ほど前、宇佐美氏らが店主に「こんなうまい餃子なのだから支店を出させてほしい」と持ち掛けたところ、OKとの返事。ただし、餃子は本店のものを使うという条件だった。そこから話が進んで、今回、新橋で「2号店」のオープンとなったわけだ。
マネジメントもスタッフも同級生
「私がやったのは、コストや利益の見積もりなどの最終チェック。また、行政書士の資格も持っているので、必要な書類の作成もやりました。飲食店を手掛けるのは初めてですが、同級生仲間との付き合いから始まった話ですから、店のマネジメントも同級生、働いているのも同級生です」 将来は、3号店、4号店とチェーン展開し、通信販売も手掛けてみたいという宇佐美氏。イチオシのメニューを聞くと「それはもう、“特製手作り焼き餃子”で決まりです!」。 宇佐美氏に新しい肩書がまた一つ加わった。
「週刊新潮」2024年4月18日号 掲載
新潮社