半導体露光装置ガラス絶好調、オハラを支える老舗の強み
カメラなどの光学製品に使われるレンズ。材料としてのガラスを提供するだけでなく、加工済み製品の比率を高め付加価値向上を図る(写真提供:オハラ)
オハラ(5218)は日本初の光学ガラス専業メーカーだ。創業は1935年。当時の日本は、光学兵器の製造に欠かせない光学ガラスのほとんどをドイツからの輸入に頼っていた。光学ガラスの国産化要請を受け、技師としてガラスの溶解を始めたのが創業者の小原甚八だ。海軍、ニコン(7731)を経たあとに、光学ガラス専業の新興メーカーとして独立した。 オハラの強みは少量多品種・高品質のガラス生産にある。建材や自動車の窓として使われる一般的なガラスは、大きな溶解炉で一度に大量に製造される。一方、オハラのガラスは、複数の小さな溶解炉で、製造したい種類ごとに少量で製造される。 緻密なコントロールの下で生産されるガラスは、屈折率や透過率、強度などの性質が特殊で付加価値が高い。手がけるガラスは約150種類あり、それらを組み合わせてレンズにさまざまな性能を持たせている。
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吉野 月華