ディズニーとダッパーラボのNFTプロジェクト「Disney Pinnacle」──ダッパーラボCEOと幹部に聞く
100年の歴史を持つ象徴的なブランドであるディズニーは、絶えず拡大するエンターテイメント製品のラインナップと同様に、技術革新の追求でも知られる。そんな同社が、NFTに再び挑戦する。 今回は、バンクーバーを拠点とし、「NBA Top Shot」を含むコンシューマー向けのWeb3アプリを成功させた経験を持つブロックチェーン企業ダッパーラボ(Dapper Labs)と連携した取り組みだ。 ダッパーラボは11月14日、新ブランド「Disney Pinnacle」を発表。モバイルベースのアプリケーションで、招待されたユーザーを対象とした「早期アクセス・クローズドリリース」が午前9時に開始された(つまり、テストとフィードバック段階に参加するためのウェイティングリストだ)。 正式なローンチは、アップルのApp Storeで「その後すぐに」行われ、さらに、ウェブブラウザとGoogle Playストアで展開されると、ダッパーラボの広報担当者は説明した。 ダッパーラボのCEO、ロハム・ガレゴズロウ(Roham Gharegozlou)氏と、事業開発・パートナーシップ担当バイスプレジデントのリディマ・カーン(Ridhima Kahn)氏に、次にブレイクするWeb3アプリとなる可能性もあるこのプロジェクトについて聞いた。
人気ブランドとの提携
ダッパーラボには大ヒットアプリを生み出してきた実績があり、NFT史上(最初ではないにせよ)最も早い成功例の1つである「クリプトキュティーズ(CryptoKitties)」は、その人気からイーサリアムブロックチェーンを混雑させ、米公共ラジオ局NPRの「Planet Money」がニュースとして取り上げた。 さらに、2020年から21年にかけての強気相場に間に合う形で、NBA(全米バスケットボール協会)と提携して「NBA Top Shot」をリリースした。 「NBA Top Shot」は簡単に言ってしまえば、NBAのリプレイ動画をトークン化したものを取引するプラットフォームであり、NFTブームで大ブレイクしたアプリの1つとなった。ダッパーラボはすぐに話題性を利用し、NFLをはじめとする他のスポーツリーグを巻き込んだ同様の製品を立ち上げた。 「Disney Pinnacle」も同じアプローチを取ったようだ。ユーザーは、ディズニー関連のIP(知的財産)を使った、さまざまな人気キャラクターのデジタル「ピン」を交換できる。 私はアプリをテストしたことも、提供されるトークンについてオンチェーンで見たこともないが、このプラットフォームはルーカスフィルム、ピクサー、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオのIPを取り扱うようだ。『スター・ウォーズ』のベビーヨーダ、『トイ・ストーリー』のウッディ、そして白雪姫が取引可能な資産になるようだ。 「おそらくこれまでで最も人気のある製品をベースにしたデジタルコレクティブルは、(中略)Web3テクノロジー普及への道であると同時に、人々に何が可能かを示す方法でもある」とガレゴズロウCEOはオンラインインタビューで語った。ビットコイン(BTC)などの暗号資産のような回復が見られない今、NFT市場は再生の起爆剤を必要としている。