スズキ、「アルト」のブレーキで不適切行為が判明 性能は問題なしと確認済み
スズキは6月3日、軽自動車「アルト」の制動装置の試験で、実際に測定した停止距離より短い値を型式申請で提出していたと発表した。ブレーキの踏力が規定値を大きく下回る弱い力だったため法規要件の停止距離に対して余裕がなく、再試験を行う時間もなかったことが原因とみている。同試験をやり直した結果、フェード試験の法規要件を十分に満たすことが確認できたという。 国交省が発表した不正行為の報告結果(5月末時点) 国土交通省からの不正行為の調査指示を受け、2014年以降の不正行為を確認した結果、今回の不正行為が判明した。その他の不正行為は確認できなかったという。 不正行為の対象車種は、2014年12月に販売開始したアルトの商用車仕様(ABSなしモデル)で、17年12月まで販売した2万5999台。 スズキは、16年の燃費・排出ガス試験での不正行為の発覚以降、法令順守に対する意識を高く保ち続ける活動などを継続している。その一環として、社内認証試験に設計開発部門から独立した組織の法規認証部門が立ち合い、試験結果と成績書の確認を行うルールに改めた。このため現在は不正が起きない仕組みとしている。