東大生の半数は中高一貫出身説は本当か…世帯年収300万から東大に進学したライターが調べた「東大生の中学時代の教育費」は…
東大合格はいくらで買えるか? #5
現役の東大生ライターが、東大受験のリアルな情報を記した書籍『東大合格はいくらで買えるか?』。著者によると東大生の多くは中高一貫校出身だが、その費用はいくらかかるのだろうか? それは一般家庭にも現実的な数字なのだろうか? 【図】こんなに違う私立中学と公立中学にかかる経費
国内屈指の進学校・開成高校の教育費を例に書籍から一部抜粋・再構成し、東大生の中高時代の教育費をレポートする。
中学校でいくらかかった?
中学校では平均して約243万円がかけられているようです。このうち、多かった教育投資先としては、学校の学費と塾代が挙げられます。小学校のころは私立に通う生徒の割合が6%と非常に少なかったのですが、中学校になるとこれが大幅に増えて、45%にも達します(海外の日本人学校含む)。 ただ、後述しますが、私立中学校に通うだけで300万円支払う必要が出てくるので、私立中学校と公立中学校では大きな差がありそうです。そこで、今回とったデータを「公立中学校に通っていた人」「私立中学校に通っていた人」に分けて、それぞれ平均をとってみました。 すると、公立中学校に通っている人の3年間の学費平均額は125万円、私立中学校に通っている人の3年間の学費の平均額は347万円となりました。それぞれ、学校に通いながら、1年間だけ塾に通っていたと仮定すると、ちょうど収まる金額になります。 私立中学校に入ると、どれほど学費を払う必要があるのでしょうか。例として開成中学校の学費等納入金を見てみましょう。納入金は以下のようになっています。 入学金:320000円 施設拡充資金:120000円 授業料:41000円 施設維持費:6000円 実験実習料:6000円 父母と先生の会会費:2800円 生徒会会費:550円 学級費:学年により変動(2022年度第1学年は115000円) 入学金と施設拡充資金については、入学手続き時に納入するもので、授業料・施設維持費・実験実習料・父母と先生の会会費は月額です。また、施設拡充資金は2年生以降毎年年額70000円を払うことになっています。 この場合、開成中学校に入学したと考えると、初年度は1116200円+学級費の支払いが発生します。仮に学級費が2022年度第1学年と同じく115000円だったとすると、初年度に支払うべき合計金額は、1231200円となります。 第2学年以降は861200円(学級費が115000円と仮定した場合)になるので、3年間では2953600円で、さらに制服代や往復の定期代などが加算されます。制服代は6~7万程度が相場のようなので、仮に65000円とすると、3018600円。東京都内に住んでいるとして、電車の定期代が月額5000円とすると、5000円×12か月×3年で18万円。総額では300万円を超えてきます。 これは開成中学校の例ですが、ほかの私立中学校でも似たような結果になるでしょう。女子の御三家として有名な桜蔭中学校の学費は年間で816100円にもなりますから、開成の結果はまだマシな方かもしれません。我々の推計では、300万円と計算していますが、通う学校や住んでいる地域などによっては、私立中学の費用は400万円まで見えてくるでしょう。