東大卒25歳、両親に猛反対されても…借金600万の米農家を継ぐ理由 「今年は年収15万でも」
「東京大学を卒業して米農家を継ぎました」から始まるインスタ動画が大きな注目を集めています。 アカウント開設から、わずか3ヶ月ほどでInstagramのフォロワー数は約13万人(原稿執筆時)。 【動画】本人が語る、東大を卒業して米農家になった理由 「東大卒」「山形の実家の米農家で就農」「今年の稼ぎは15万(予定)」などプロフィールには気になるフレーズばかり。 戦国時代の茶人千利休の生き方に敬意を払い、米利休と名乗る若き生産者に取材。農作業やSNS発信などで忙しい合間を縫って、あえて農業の世界で自らの歩む道を切り拓いていこうという固い決意などを話してくれました。
世界でも例の少ない研究を行っていた東大時代
今春から祖父といっしょに農業に従事する米利休さん(25歳)。地元中学を卒業後、5年制の高専に進学。高専で機械・電気電子回路・プログラミングなどの工学を学んだ後、2019年4月に東京大学工学部2年次に編入しました。 「将来は、企業の開発系の仕事、あるいは研究職に就きたいと考えていました。山形に帰って農業をするとは、全く思っていなかったです」と話すように、在学中は、ペロブスカイト太陽電池の材料について研究。 「太陽電池は3~4cmの厚みがあり、硬くて変形が難しい材料でできていますが、ペロブスカイト太陽電池は、従来の太陽電池の約100分の1程度の厚みで、非常に軽く、変形が容易であるという利点があります。ビルの側面や車などへの設置の可能性を秘めており、近年注目されています。僕は、そのペロブスカイト太陽電池の中でも、厚みに関する材料の組成を研究して、世界的にもほとんど報告がない作製手法を試みていました」。 寝る間も惜しんで研究するバリバリの理系学生だった一方で、マーケティング分野にも興味の目が向くように。いつしか、開発職・研究職への興味は薄れ、就職や院進学は選択肢から外れていきました。 学業に取り組みながらも、通販サイト・アフィリエイト・SNSコンサルティング・動画編集などを行うという二刀流の生活を送っていましたが、両立が立ち行かなくなって休学。将来のこと、自分にできることを考えた休学期間はさまざまな葛藤があったそうですが、「卒業しても就職はしない、自分のやりたいことを頑張ろう」という決意をしたそうです。