「裁判員やってきたけど質問ある?」ユーチューバー、経験を発信 裁判員制度15年
国民から選ばれた裁判員が職業裁判官とともに刑事事件を審理する裁判員裁判が導入されてから21日で15年。裁判員に選任されると、どんな日々が待っているのか。辞退率が高止まりするなか、守秘義務のある裁判員の経験をどう社会に広げるかは、なお課題だ。自らの経験を動画投稿サイトで発信する裁判員経験者も出てきた。 【サムネイル画像】裁判員の経験を紹介するためにフランチェスカさんが投稿したユーチューブ動画 <服装の指定とかあるんですか?><ピアスは大丈夫なのか> タレント兼ユーチューバーのフランチェスカさん(本名非公表)が令和3年11月にユーチューブに投稿した「裁判員やってきたけど何か質問ある?」というタイトルの動画には、多くの質問が寄せられた。 自身が裁判員のときは「被告や傍聴人が自分の姿を見て不安にならないように」と、ピアスを外し、明るめの髪も目立たないよう束ねたフランチェスカさん。別の動画では「私はヒール(の高い靴)で行ってたんですけど、スニーカーでもいいみたいです」と話した。 裁判員法は、評議で出た意見の中身などについて守秘義務を規定し、違反すれば6月以下の懲役または50万円以下の罰金が科される。 だが、評議の中身などでなければ発信は可能だ。フランチェスカさんは服装以外にも裁判所で昼食として食べた弁当を写真付きで紹介するなど、参考になりそうな情報を丁寧に取り上げている。 徳島地裁で裁判員を務めたのは3年前。不安もあったが、年齢も職業も違う他の裁判員との議論では「自分にはない視点を知ることができた」という。一方で、適切な服装や昼食はどうするかなど、裁判員の情報が不足しているとも感じた。 「私の体験が誰かの参考になれば」と動画投稿の理由を語った。(滝口亜希)