まちづくりは「対話と共創」地域の課題は産官学民で解決へ~兵庫・明石市 丸谷聡子市長
兵庫県明石市の丸谷聡子市長が、24日、ラジオ関西の生放送に出演し「全ての人が自分らしく生きられる“インクルーシブなまち”を目指す。市民の声を直接聞き、地域の課題は産官学民の共創で解決に向け取り組んでいく」と、市政への熱い思いを語った。 【写真】明石市の大蔵海岸 サラサラの砂でビーチスポーツも盛ん 明石市は兵庫県南部に位置し、東西15.6キロ、南北9.4キロの東西に細長いまち。人口は30万6000人で、11年連続で増えている。丸谷市長は「子育てを核としたまちづくりを進めてきた」とした上で、JRの新快速で明石駅から大阪駅まで37分、姫路駅まで24分というアクセスの良さもあり、「ベッドタウンとして選んでいただいているのではないか」と話した。身近に公園がたくさんあり、面積あたりの公園の数は「県内トップクラス」という。 瀬戸内海に面する明石市。「東西に約16キロの海岸線、明石海峡、明石海峡大橋を望む絶景は、宝」と話す丸谷市長は、市長室から見える夕日に「思わず見とれてしまう」という。 市役所近くにある大蔵海岸は、夏の間は海水浴場を開設しているほか、ビーチサッカーの国際大会や、ビーチバレー、フレスコボールなど、年間を通じてビーチスポーツが盛んに行われている。「東の湘南、西の明石と言われるくらい、ビーチスポーツの中心地といえる。世界の一流選手も、砂浜が素晴らしいと評価してくれている」と話した。 明石市は「全ての人が自分らしく生きられるインクルーシブなまちづくり条例(略称:あかしインクルーシブ条例)」を制定している。インクルーシブとは「分けへだてない」「誰ひとり取り残さない」「多様性」「みんな一緒に」という意味で使われる言葉だ(明石市ホームページより)。8月4日には、大蔵海岸を誰でも楽しめるビーチにするためのイベント『明石インクルーシブビーチin大蔵海岸』が行われる。 「砂浜に車椅子用のビーチマットを設置し、車椅子に乗ったまま波打ち際まで行けたり、水陸両用の車椅子で海水浴を楽しめたりする。明石市は誰ひとり取り残さないまちを目指す」という。 丸谷市長は、就任してから月に一度『まるちゃんカフェ』と名付けたタウンミーティングを開催してきた。「今年6月で、市内は全部回らせていただいた」。さらに、こどもや若者の声を聞くため、こども会議の第1回を開催したばかり。「今年のテーマは“海と遊び場”。自分たちでどんな海にしたいか、どんな遊び場が欲しいか、こどもたちの声を聞かせてもらい、私たち大人が施策の中で実現していく」と話した。 丸谷市長は「こういう対話の場で地域の課題が出てくるが、それは行政だけで(解決)できることばかりではない」とした上で、「今年は“対話と共創の年”。対話でわかったさまざまな地域の課題を、産官学民の共創で(解決に向け)取り組んでいきたい」と話した。 その成果のひとつとして、市内各所に設けた「ひと涼みスポット」がある。公共施設や店舗など、冷房が効いた場所で一時的に過ごしてもらうことで、熱中症の予防だけでなく交流の場にもなる。「市内52か所に設けている。市民の皆さんだけでなく、市外から来られた方にもホッとしてもらいたい」 「コンパクトなまちの中に、海だけではなく里山があり、農地も広がっていて、農業用のため池もたくさんある。川もあって水で繋がる。そういう生態系、自然ができているのが明石の特徴」と話す丸谷市長は、市長就任前からため池の保全活動を始め環境問題にも取り組んできた。「(近年)冬のえさ場として、東播磨、明石のため池に、国の特別天然記念物で兵庫県の県鳥・コウノトリが飛来するようになった。ひとつのため池に20羽近くやって来ることも。豊かな自然があることを私たちに教えてくれている」と笑顔で語った。 日本標準時の基準となる東経135度の子午線が通る明石市は「時のまち」と呼ばれる。また「歴史のまち」でもあり、櫓や石垣が美しい築城400年の明石城や、大河ドラマ『光る君へ』で注目される『源氏物語』ゆかりの地も市内に残る。 さらに、明石だこ、明石鯛、あなごなど、全国に誇る特産品に恵まれた「食のまち」。地元では「玉子焼」の名で親しまれている明石焼の店は市内に70店舗ある。 丸谷市長は「今年は“共創元年”を掲げている。市民の声を直接聞いて、対話と共創で全ての人に優しいまちを作っていきたい。笑顔あふれる明石に、ぜひ来て欲しい」と締めくくった。 ※ラジオ関西『三上公也の朝は恋人』2024年7月24日放送回より
ラジオ関西