変わる富士登山「本当に危ない」「ギリギリに…」開山初日振り返り 山梨県
YBS山梨放送
富士山の世界文化遺産登録から11年。 来訪者管理に向けて大きく舵を切り、“規制元年”となった2024年の山開きを映像で振り返ります。 山開き前日の6月30日。 富士吉田市の北口本宮富士浅間神社では、吉田口登山道の起点に張ったしめ縄を手力男命(たぢからおのみこと)が木槌で断ち切りました。 富士山の山開きを告げる恒例の「お道開き」です。 県のスタッフ 「7月1日になりました。条例が施行されましたので、ゲートを閉めさせていただきます」 日付が変わった7月1日午前0時。 県が5合目に設置したゲートがスタッフにより閉められ、富士山で初の「登山規制」が始まりました。 そして、初めての開門となる午前3時。 ゲートが開かれると、通行料の徴収や誘導にあたるスタッフが配置につき、登山者の通行に備えました。 1日未明の富士山は風速20mを超える強風が吹き荒れ、登山を強行しようとする外国人登山者を係員が制止する一幕も。 県のスタッフ 「本当に危ないですよ。まだ時間はあるので、もう少し明るくなっても全然いけます。まだ時間は大丈夫です」 この強風で麓と5合目を結ぶ富士スバルラインは一時通行止めとなったほか、5合目には登山をあきらめて引き返してきた人もいました。 大荒れの山開きとなった2024年の富士山。 県の幹部 「考え得る準備は我々も行って来たが、何らかのトラブルは発生すると思います。一つ一つの経験を改善につなげていきましょう」 午前9時に富士スバルラインの通行止めが解除されると同時に、にぎわいを見せ始めた富士山5合目。 県は現地連絡本部を立ち上げ、ゲート前ではスタッフが富士登山へ向かう登山客からの通行料や協力金の徴収に追われました。 5合目を訪れた登山者は 「(規制は)人数が多いと登りづらいのでいいことだと思う。(ゲート閉鎖について)安全のためにそれくらいの時間はいいと思う」 初めての登山規制に通行料の徴収など新しい登山の形がスタートした富士山ですが、5合目では登山者の安全を祈る開山祭が行われるなど、変わらぬ伝統も受け継がれています。 県のスタッフ 「ゲート閉まります」 服部アナウンサー 「今、午後3時59分、ギリギリの時間帯に(登山者が)ゲートをくぐって行きました。そして、午後4時になりました」 午後4時、富士山5合目の登山道につながるゲートは再び、閉じられました。 現地では8月31日の山じまいまで、24時間態勢で警備が続きます。