色彩の魔術師と呼ばれた「ケンゾー」の創設者 高田賢三の大規模個展がスタート
「ケンゾー(KENZO)」の創設者 高田賢三の没後初となる大規模個展「高田賢三 夢をかける」が東京オペラシティ アートギャラリーで7月6日からスタートする。会期は9月16日まで。 【画像】まるでクマのようなルックも
今回の展覧会では、幼少期から東京の文化服装学院で過ごした学生時代、パリに渡ってからの活躍、そして晩年の活動まで幅広く紹介する。前半では、装苑賞(第8回)を受賞した記念すべき作品や初期の作品をはじめ、「ニット」「ツイード」「バルーン」といった素材や技法、「アンチクチュール」「ペザント・ルック」「ミリタリー・ルック」など、1970年代に発表したテーマに着目。後半では、高田の代名詞ともいわれる世界各地の民族衣装に着想を得た1970~80年代のフォークロア作品をフィーチャーする。 同展の目玉の一つは、高田が約20年間をかけて集めた20種以上のリボンを使って制作したウェディングドレス(1982年秋冬)。1999年に行われたKENZOブランドでの最後のショー「KENZO 30ans(トランタン)」ではモデルの山口小夜子が着用しており、花の刺しゅうが施された色とりどりのリボンが特徴だ。会場ではこの「トランタン」の映像フィルムをデジタル化し、ダイジェストで上映。隣接のショップ「Gallery 5」では関連書籍やトートバッグ(1980円)、Tシャツ(SとLのサイズ展開、各3600円)、ポスター2種(各2300円)といったグッズがそろう。 同展は2025年4月12日から、高田の出身地である兵庫県の姫路市立美術館に巡回予定。さらに、2019年に高田が衣装を手掛けた宮本亜門演出のオペラ プッチーニ「蝶々夫人」の再演も決定。東京文化会館 大ホール(2024年7月18日~21日)、アクリエひめじ 大ホール(2024年7月27日)の2会場で上演される。こちらも「色彩の魔術師」と呼ばれた高田の偉大な足跡とクリエイションを振り返る機会となる。