『キャプテン翼』ゆかりの街・葛飾区四つ木を歩く 「あの場面」追体験できるラッピング駅 キャラ銅像訪ねる散策ルート
階段アート、天井にはツインシュート
四ツ木駅構内は、床、天井、トイレまで『キャプテン翼』で埋め尽くされている。 1階のコンコースから階段を見上げると、縦面の蹴込(けこみ)を利用した「階段アート」を楽しめる。巨大なキャラクターが大迫力でポーズを取り、「STOP駆け込み乗車」などと、駅のマナーを訴える。 コンコースの床は芝や白線が描かれ、サッカースタジアム風。天井を見上げると、大空翼と岬太郎が2人同時にボールを蹴る必殺技「ツインシュート」を眺められる。改札の外側の天井は、大空翼がオーバーヘッドキックを決めるシーンだ。トイレ入り口はゴールポストが描かれている。構内アナウンスには、翼の「応援団」を担う女子キャラ、中沢早苗の声も登場する。 駅の一角には、原作の高橋さん、作品のファンとして知られる元スペイン代表のアンドレス・イニエスタ選手、元日本代表で地元社会人チーム・南葛SC所属の稲本潤一選手、女子サッカーの元日本代表・澤穂希さんのサインも展示している。 四ツ木駅には『キャプテン翼』マニアもいる。40代の男性駅員は、幼少期から漫画を愛読していたといい、「外国からのお客さんにキャラクターのエピソードを説明することができ、幸せです」と語る。
街に銅像、スタンプラリー
葛飾区は『キャプテン翼』にちなんだ地域づくりを2012年度からスタート。四つ木地区に隣接する立石地区も含め、公園などにキャラクター銅像を計9体設置した。散策コースも設定し、日本語版、英語版の地図を無料配布している。区によると今年に入ってから英語版の地図の配布が好調という。 米国から友人と四ツ木を訪れたアニメファンのノエ・ゴメスさん(38)は「小さい頃から翼のアニメが好きだった。アニメが生まれた街を楽しんでいる」と話していた。
葛飾区はサッカー振興と連動した地域づくりにも力を入れている。『キャプテン翼』とゆかりのある全国各地のチームを招待する大会「キャプテン翼CUPかつしか」を毎年1月に実施。作品の中で大空翼が所属したチームと同じ名前の社会人チーム「南葛SC」と協力し、銅像や飲食店、スポーツ用品店など関係するスポットをめぐるデジタルスタンプラリーを昨秋、初めて実施した。葛飾区観光課の担当者は「スタンプラリーに約2400人が参加した。今年の秋には外国人も参加しやすい形式での実施を検討しており、さらに盛り上げたい」と語る。