能登半島地震から1年 半島防災テーマにシンポ「鹿児島で起きないとは言い切れない」専門家ら訴え
南日本放送
MBCとNHK鹿児島放送局が毎年開催している鹿児島防災シンポジウムが21日、肝付町で開かれ、能登半島地震を教訓に「半島防災」のあり方について議論しました。 (鹿児島大学 酒匂一成教授)「(能登では)あらゆる災害が起きて、鹿児島でも起きないとは言い切れない」 今年のテーマは「半島防災」。能登半島地震で道路が寸断され、集落の孤立が相次いだことを踏まえたもので、地震・大雨など複合災害への備えや、被災者支援についてパネリスト4人が意見を交わしました。 地殻変動論が専門の京都大学・西村卓也教授は「能登と同じ半島や、離島がある鹿児島では、災害による孤立に備えるべき」といいます。 (京都大学 西村卓也教授)「(能登では)半島という地理的条件によって道路が寸断され、救援や復興が進まない状況もある。(鹿児島でも)地震・大雨・火山などの複合災害のリスクに備える必要がある」 能登半島の避難所運営に関わっている、男女共同参画地域みらいねっと・小山内世喜子代表理事は、避難所などで性別による役割分担の意識をなくすべきと主張しました。 (男女共同参画地域みらいねっと 小山内世喜子代表理事)「訓練の時に、例えば炊き出しは男性にやってもらいましょうとか、平時にできないことは災害時になおさらできないので、平時からジェンダー問題の課題を解決しておくことが大事」 地盤工学が専門の鹿児島大学・酒匂一成教授は、土砂災害などの危険か所を示したハザードマップの活用を呼びかけました。 (鹿児島大学 酒匂一成教授)「自分の家がどこにあって、そこからどこへどう逃げるか。土砂災害が起きる(可能性を示した)ところは人が住んでいるところに色がついているだけで、道路周辺には色がついていない」 肝付町の永野和行町長は、2012年の豪雨による土砂崩れで住民およそ350人が孤立した経験から、「近隣の自治体などと連携し、災害に強いまちづくり」を目指す考えを示しました。
(肝付町 永野和行町長)「地域の皆さんと一緒になって取り組み、肝付町の特性にあった肝付モデルをつくることができたらなと再度思った」 シンポジウムの模様は、MBCテレビで来年1月21日午前9時55分から、NHK総合テレビで1月31日午後7時57分から放送予定です。
南日本放送