セルビアの首都で大規模集会 ブチッチ政権の強権体質に抗議
ベオグラード、セルビア、12月23日 (AP) ― ここ数週間、大学生を中心とした街頭抗議行動が続いたセルビアの首都ベオグラードで12月22日、アレクサンダル・ブチッチ大統領の強権体質に反対する数万人規模の抗議集会が開かれた。 スラビヤ広場で行われた近年最大規模集会は、学生と農民組合が呼び掛けたもので、11月1日に発生したノビサド駅舎の一部崩落事故に関し、政府の責任を問うことを目的としたものだ。 小規模な抗議集会は南部のニシュやクラグイェバツでも行われていたが、ベオグラードの集会は、崩落事故の犠牲者に対する15分の黙祷で始まった。 セルビア第二の都市ノビサドで、築60年の駅舎屋根の一部が崩落し、14人が死亡、複数人が負傷する事故があった。 検察当局はノビサドの悲劇をめぐって13人を逮捕したが、その中には釈放された政府閣僚も含まれていた。 デモ参加者らは、中国の国営企業が関与した疑わしいメガプロジェクトの一環として、近年2度にわたって改修されたノビサド市の駅舎について、汚職とずさんな工事のせいだと非難、ブチッチ大統領とその責任者たちに正義を突きつけるよう要求している。 ブチッチ大統領は、暫定政府を求める反対派の要求には譲歩しないと述べ、反対派が学生を使って政権を奪おうとしていると非難した。 数週間にわたる抗議デモは、ブチッチ大統領の統治に対する広範な不満を反映しており、野党は、自由で公正な選挙を準備する暫定政権が政治的緊張を打開する方法であると指摘。 セルビアの学生たちは大学教授、メディア関係者、弁護士、著名人など、各界から全国的な支援を受けている。 (日本語翻訳・編集 アフロ)