第93回選抜高校野球 上田西、悲願の夢舞台 強力打線で旋風を(その2止) /長野
◇強豪を次々撃破 目標は甲子園で2勝 上田西は、準優勝を果たした昨年10月の北信越大会では、準決勝で、秋の大会3連覇を狙った星稜に5―4で逆転勝ち。全国屈指の強豪に競り勝った実績を引っ提げ初のセンバツ切符を手にした。 最大の売りは、上位から下位まで切れ目のない強力打線だ。秋の公式戦では東信地区大会からの全12試合で2桁安打をマークし、破壊力を見せつけた。リードオフマンの笹原操希(2年)は1年時には4番も務めるなど確実性と長打力を兼ね備え、起爆剤として期待される。北信越大会で6割に迫る打率を残した主将の柳沢樹(2年)ら中軸も脅威で、二塁手の飛鳥井洸(2年)は星稜戦で2打席連続本塁打を放って勝負強さを発揮した。 一方で懸念されるのは投手層の薄さだ。現状は左腕エースの山口謙作(2年)に頼らざるを得ず、山口が連投で長いイニングを投げられなかった県大会決勝の佐久長聖戦と北信越大会決勝の敦賀気比戦では、いずれも16失点で大敗を喫した。強気の投球が持ち味の左腕、高梨匠(1年)らの台頭が待たれる。 チームを率いる吉崎琢朗監督(38)は監督就任から1年余で同校をセンバツ初出場に導き、その手腕が注目される。初の甲子園2勝を目標に、「(選手が)人間的に成長できるよう粘り強くやっていきたい」と意気込む。【皆川真仁】 ◆学校プロフィル ◇全国レベルの運動部 上田地域に私立高校を設立する住民の悲願が水野鼎蔵・元上田市長らの尽力で実現し、1960年に上田城南高として開校。87年に同市下塩尻に全面移転し現校名となった。 野球部は開校と同じ60年に創部。2013年夏に甲子園初出場を果たし、15年夏に甲子園初勝利。昨秋のプロ野球ドラフト会議では高寺望夢(のぞむ)内野手(18)が阪神から7位指名を受け、同校初の高卒プロ入り選手となった。軟式野球部も全国ベスト4に3度輝いた強豪で、サッカー部、レスリング部なども全国レベル。 生徒数879人。上田市下塩尻868(0268・22・0412)。 ……………………………………………………………………………………………………… <東信地区大会> 1回戦 ○11―0 佐久平総合技術 準々決勝 ○9―3 小諸 準決勝 ○10―3 小諸商 決勝 ○10―9 佐久長聖 <県大会> 1回戦 ○11―3 長野 準々決勝 ○6―0 飯田OIDE長姫 準決勝 ○5―2 松商学園 決勝 ●9―16 佐久長聖 <北信越大会> 1回戦 ○10―1 福井商 準々決勝 ○10―3 日本航空石川 準決勝 ○5―4 星稜 決勝 ●5―16 敦賀気比