サッカー元日本代表・中村憲剛さん「40代、これからの生き方について」|STORY
Q.パフォーマンス低下を日々実感する40代ですが、プロサッカー選手のキャリアに区切りをつけ、次のステージへ進んだ憲剛さんの今後の目標や指針を教えてください。
中村憲剛さん:自分はサッカーにここまで育ててもらった恩があるので、今後も基本的にはサッカーをメインに、自分が経験してきたことを次の世代に還元できたらと思っています。実は、引退後1年目は、オファーいただいたお仕事は全部出てみよう、受けようと思って過ごしました。ライセンス講習会を同時進行で受講しながら、指導の日数を増やしたり、他の選択肢も増やそうと。 人生のセカンドステージはまだ始まったばかりではあるものの、特に区切ってもなければ自分の中では特別変わってはないんです。日々、頑張ることは変わってなくて、フィールドが変わっただけ。毎度全力で取り組んで、自分が結果、爪痕を残せるかどうか。爪痕を残せなかったら当然次の仕事は来ないし、出番も減ります。その点では試合と一緒ですね。 「この仕事を中村憲剛にオーダーしてよかった」とオファーを出していただいた方たちに思ってもらいたい、それだけです。監督から「出番だ」と言われて、戦術を理解せず、全然違うことをした結果チームが負けたら、次回絶対使われないのと同じで、結局現役時代と今は何も変わりません。この取材を受けている時間もね、ここにいる皆さんと時間を共にしているわけですから、いい時間にしたいなと思ってます。 木村先生はこう見る! 著書の中でも憲剛さんは、思い描いた自分自身を追いかけるのに、早いも遅いもないし、何歳であっても何歳からでもいい、年齢は関係ない、これからもそのときどきの自分の理想を追い続けていく、と語っています。チームドクターのお話を頂いた頃、憲剛さんはまだ現役だったので、選手としてのインタビューや発言を聞く機会があったのですが、インタビュアーとのやり取りや、観客、サポーターへのコメントが、その時々の相手のニーズを見事につかんでいて凄いなと感じました。現在はサッカーに絡む様々な領域で活躍されていますが、彼の幼少時から続くサッカー人生は自らの人格を磨く方便になっているところが魅力です。中村家の家訓である「感謝、感激、感動」は憲剛さんの人生の理念でもあり、これからも多くの感動を我々に与えてくれるでしょう。そんな彼の「こころ」にフォーカスした著書を是非多くの方に読んで頂きたいです。