JPモルガンなども頻繁にやりとり、米CPI巡り-BLSエコノミスト
(ブルームバーグ): 米労働省の労働統計局(BLS)のエコノミスト1人が、JPモルガン・チェースやブラックロックといったウォール街の主要プレーヤーと、重要な米インフレ指標に関するデータについてやりとりしていた事実が明らかになり、経済情報への公平なアクセスに疑念が生じた。
ブルームバーグが情報公開を請求した記録によると、BLSのエコノミストは、最近数カ月の間に消費者物価指数(CPI)の詳細に関する問い合わせに何度も応じ、問い合わせは中古車などの主要なカテゴリー計算に主に関係していた。
BLSで長年勤務するこのエコノミストと金融会社とのやりとりは、米紙ニューヨーク・タイムズが先に報じていた。エコノミストはより広範なグループに複数の電子メールを送っていたが、ブルームバーグが入手した電子メール1件によれば、このグループを「私のスーパーユーザー」と呼んでいた。「スーパーユーザー 」のリストは管理していないとBLSは回答した。
2月半ばにあるユーザーがスーパーユーザーのメールリストに追加してもらえないか頼んだところ、エコノミストは数分後に「リストへの追加は可能」と答えたという。受信者の名前は削除されていたが、提供された記録の一部で、電子メール署名の詳細や雇用主からの開示を確認できる。
JPモルガンとブラックロックのほか、ブレバン・ハワードやミレニアム・キャピタル・パートナーズ、シタデル、ムーア・キャピタル・マネジメント、ハイ・フリークエンシー・エコノミクス、ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナル、BNPパリバも一連のやりとりに登場したが、いずれもコメントを控えた。
やはりメールに登場したファロ・マネジメントとウルフ・リサーチからもコメントは得られていない。
このBLS職員が2月にそれらの人々宛てに電子メールを送り、持ち家などオーナーの帰属計算上の家賃(帰属家賃、OER)指標における一戸建て住宅と集合住宅との相対的ウエートの変更が1月のCPI上昇の背景にあると示唆した。これを受け、エコノミストの間では「スーパーユーザー」についてもっと詳しく知りたいという声が高まった。