地域の木材87%使用 黒部YKKパッシブタウン 県ウッド・チェンジ協が視察
●こだわりに関心 民間建築での木材利用を推進する県ウッド・チェンジ協議会(会長・津田康志県農林水産部長)は10日、地場産材活用の先進事例としてYKK不動産が黒部市で整備を進める「パッシブタウン」第5期街区を視察した。6~7階建て3棟の集合住宅で通常使用量の約6倍に当たる木材を使用、その約87%は県内を中心に85キロ圏内の地域産材とする徹底したこだわりぶりに関心を寄せた。 協議会はYKK不動産や北陸銀行、木材関連企業・団体などでつくり、YKK不動産は昨年9月、県と県産材利用に関する建築物木材利用促進協定を締結した。 10日は黒部市吉田のYKK50ビルで会合を開き、YKK不動産の髙橋浩達プロジェクトリーダーが再生可能エネルギー、地域産木材利用の最大化を目指した5期街区の特徴を説明した。 「より多くの木材をより近くから」にこだわり、一部長野県からの調達はあったものの、富山県内でスギ原木2990立方メートル、スギ製材1450立方メートルを用意した。現場作業の効率化を図るため、プレハブ化して建築を進めており、木構造・仕上げ部材としては1670立方メートルの使用量となる。 中高層耐火木造建築を実現し、外装も木材で覆う。通常、外装木材は劣化などで維持費がかさむが、害の少ない薬剤注入処理で耐久性を高め、赤や黒色の保護塗料を施した外壁板張りとする。 ●3棟計64戸の5期街区、来春完成 協議会メンバーは三日市の5期街区建設現場を視察し、プレハブ化により通常よりスピーディーな工事や、木材の良さが伝わる外壁板張り見本などに見入った。3棟計64戸分となる5期街区は来春、完成する。